2人で
モンスターの解体を始めて行く。
「…………」
シーサーペントでか過ぎじゃない?
「…………」
………………
「…………」
……どうしたのリノちゃん。
シーサーペントもペットにしたいの?
ん? え、マジで? ん~……
「……リノ、解体してみるか?」
「……! うん」
リノに解体ナイフを握らせ、その上から俺が手を添える。
これからモンスターテイマーになるであろうリノに、解体を教えるのはどうかとも思う。
だが、モンスターテイマーになるであろうからこそ、覚えておくべきだとも思う。
命を預かる身になるからこそ、その命が終わった先の事を覚えておく。
まだ5才のリノにそれを覚えさせる必要があるかは微妙だが、本人の希望だ。良いだろう。
リノに一から丁寧に説明しながら一緒に解体していく。
リノは五才にしては賢いためなかなかに覚えが良い。理解できない事ももちろんあるが、そこはそういうものなのだと何となくで納得させた。
そうしてリノと2人で解体を続けた結果……素材を売りに行く時間が無くなってしまった。
ごめん穂乃香。
現在、俺は風呂の湯船に浸かっている。
そして、
「ん~~」
俺の横には機嫌のいい穂乃香が。
甘やかし一回分でお願いされたので今日は穂乃香と2人。
とりあえず近い、そして柔らかい。
「穂乃香、今日は頑張ったな」
「うん。今日は氷君も水奈も居なくて寂しかった。それでも頑張ったよ? 何回か魔法が日坂さんに当たりそうにはなったけど」
憐れ日坂。でも当てないのは穂乃香なりの優しさだろうか。
いや、まず狙わないで上げて?
「穂乃香は明日暇か?」
「うん。暇だけど……デート!?」
「デートはまた今度な。明日は休みだが、お前と水奈、神奈の3人の連携もしておきたいと思ってな」
前衛の神奈、遊撃の穂乃香、後衛の水奈。バランスがとれており、将来的に一番組む事の多い組み合わせだろう。
「氷君も来るの?」
「ああ、監督役として俺が付くつもりだ」
「やった~!」
穂乃香が大変上機嫌である。
まあ、明日は俺、水奈、神奈の穂乃香にとってベストパーティーだからな。
「氷君っ、ちょっと体勢変えて」
「おう?」
穂乃香が立ち上がり、穂乃香が居たスペースを俺が占領し寛ぐ状態に。
穂乃香はそんな俺の上に座り、俺の胸に背中を預けた。
俺は上に座る穂乃香の肩に腕を回す。
「あぁ……氷君に包まれてる……幸せ……」
穂乃香は大変幸せそう。
でもこの体勢少し問題がある。
あれとあれがこんにちわしそうなのである。
というか少し当たってる。
こら、腰を下げるんじゃない。
「ふふふ、大丈夫だよ氷君。お風呂の順番は私達が最後、時間はたっぷりあるよ」
大丈夫な点が見当たらないんですが……
リビングにて。
のぼせた俺と穂乃香は冷たい水を飲んでいた。
大丈夫じゃなかったじゃねぇか。




