先生
今日のスキルアップ組は俺と神奈、水奈とフィサリス。
そしてレベリング組は日坂、穂乃香、ラミウムとロータス。
つまりだ。穂乃香の不満たらたらである。
なんせ俺だけじゃ無くて水奈まで居ないからな。
でも穂乃香、連携も大事だから我慢して?
まあ、ロータスが強すぎるから連携も糞も無いんだけど。
でも互いの力量を理解して置くことは大事な事だ。
いざという時の判断材料になる。
俺は鑑定様で知ってるけど、他は実際に一緒に戦わないと戦闘スタイルにおける長所と短所が分からないからな。
前衛も後衛もこなせる穂乃香だが、防御は他に比べて弱い。そんな穂乃香が万能だと思われて盾役でも任されたら目も当てられん。
誰だ、穂乃香を盾役にしようとした奴は。出て来い。
つまりはそういう事だ。
互いの関心を深める事で、誰と組もうが自分の立ち回りをすぐに分かるようになっていて欲しい。
簡単になら前衛、後衛。
もっと詰めて行けばメインやサポート、誘導やトドメなんかも誰がどう立ち回るかパパッと判断できるのが好ましい。
「――という訳で穂乃香、頑張れ」
「うぅ~……」
「帰って来たら甘やかしてやるから――水奈が」
「私!?」
「水奈ぁああああ!」
「まだ、行ってすらないよ!?」
水奈に穂乃香が抱き着くまでが1セットである。
という訳で穂乃香たちを海岸付近へと置いて行く。今日は対水属性モンスターだよ。頑張って。
(今回は比較的環境変化が少ないですね)
まあ、火山に雪山に砂漠だもんね。それに比べたら海岸は普通だね。
水中戦闘をする訳でも無いし、大丈夫でしょう。
穂乃香のフラストレーションが溜まる以外。
せめて神奈がいればまだ別なんだろうが、神奈と穂乃香は組み合わせ上一緒にならないしな。
同じ拠点で寝食を共にする仲間なんだから、穂乃香にはこの際もっと仲間同士の交流を増やして欲しい。
城に居た頃の俺にブーメラン? あの頃は若かったんだよ。
8日間前だけど。
いや、交流はあった。魔剣術の子とか……いや、関わって無かったわ俺。
余裕無かったからね、仕方ない。
森へと移動し、水奈達と別れる。
リノは水奈とフィサリスの方へ行ったため、俺と神奈の2人だ。
稽古の前に試し切りに行くか。
「神奈、移動するぞ」
「へ?」
「『サークル』『テレポート』」
やって来たのは近くの洞窟。
うん。暗い。ライトボールを近くに浮かせる。
「こんな暗がりに私を連れてきて何するつもりなんですか~、この変態」
「相変わらずの減らず口だなおい。お前がハーピーは斬りかかりにくいとか言うから、仕方なくこんな所に来てんだぞ」
ほら、人を感知して出てきたぞ。
バットアイ Lv4
バットアイ Lv3
バットアイ Lv4
バットアイ Lv5
バットアイ Lv4
バットアイ Lv6
バットアイ Lv2
バットアイ Lv4
バットアイ Lv3
バットアイ Lv5
バットアイ Lv5
バットアイ Lv4
バットアイ Lv6
バットアイ Lv4
バットアイ Lv3
バットアイ Lv3
バットアイ Lv4
「うげぇ……一つ目蝙蝠……」
「雑魚だが、飛び方が独特でハーピーより的が小さい。何より洞窟だから視界が悪い」
訓練には持って来いだろ?
「じゃあ頑張れよ」
「え!? 手伝ってくれないんですか~!?」
「お前の訓練だろう? 俺は鑑定で暗かろうが見えるから訓練にならねぇよ。危なくなったら助太刀してやるから」
まあ、この程度今のお前には大した事ねぇだろ。
「お兄さんの鬼、鬼畜!」
「いいから行け」
「はーい」
神奈はバットアイの群れに向かって跳んで行った。
空中での緊急回避や、逆さ飛行も出来る様にはなっている。
穂乃香との訓練で神奈自身も相当上手くなっている。
大したもんだ。
最初は問題なく攻撃が当たるが問題は数が減ってからだ。
数が多いうちは雑でも振れば数匹は当たるが、少なくなればしっかり狙わないと当たらない。
抜刀術を使えば、確実に一匹ずつ倒せるが隙が大きい。
抜刀術は乱戦には向いていないからな。
さて、どうする?
「むむむ、うざったい! 先生直伝! 『グラビティ』」
お、重力魔法で一カ所にバットアイを集めやがった。
フィサリスの入れ知恵か。
水奈にはお師匠様と呼ばれ、神奈には先生と呼ばれる。
俺も立場的には師匠に当たるのに何故呼び名はお兄さん固定なのだろうか。
フィサリスはフィサリスでお姉さんと呼ばれたいのに。
呼ばれたいように呼ばれないもんだよね、呼び名って。
まあ、神奈とフィサリスが仲良くやれてる様で何よりです。
神奈がバットアイを纏めて斬り伏せた。今回はよくやったんじゃないか?
褒めてはやらんけど。