躊躇い
日坂 統也
Lv 17
HP 145/145
MP 145/145
STR 63 (+45)(+4)(+35) 〔147〕
DEF 42 (+28)(+5)(+15) 〔90〕
AGL 44 (+48)(+6)(+30) 〔128〕
DEX 23 (+18)(+5)(+15) 〔61〕
MIND 25 (+12)(+4)(+5) 〔46〕
INT 63 (+22)(+5)(+15) 〔105〕
LUK 18 (+6)(+2)(+5) 〔31〕
如月 穂乃香
Lv 17
HP 145/145
MP 145/145
STR (49)=73 (+30)〔104〕
DEF (26)=39 (+30)〔69〕
AGL (54)=81 (+15)〔96〕
DEX (49)=73 (+15)〔88〕
MIND (71)=106(+45)〔151〕
INT (71)=106 (+15)〔121〕
LUK (23)=34 (+5)〔39〕
レベルが同じ17の2人はMINDがやや日坂の方が低いものの、大きく差がある訳ではない。
実力が同じぐらいな者同士で戦うのはいい経験になるだろう。
穂乃香が危なくなれば俺が、日坂が危なくなればロータスが止めに入るし。
「俺は問題ないが……穂乃香ちゃんは?」
「私も問題ありません」
(日坂ぶっ倒す!)
おー、穂乃香がライバル心メラメラである。
やれー、やっちまえー、ぶっ倒せー。
という訳で始めます。
日坂が剣を、穂乃香が拳を構える。随分とさまになって来たね。
「スキル魔法アリアリのガチバトル、危ないと判断すれば俺かロータスが止めに入る。以上……始め!」
剣と拳がぶつかる。
神奈と戦ったためか、穂乃香が甲のメタルで剣を弾くのが上手くなってる。
速度では日坂の方が早いが、手数は穂乃香が多い。
通常の攻撃力は日坂の方が高いが、魔剣術と魔拳術なら穂乃香の方が高い。
さて、見物と洒落込むかね。
「月島様、なぜ急にこのような事を?」
俺と同じく手の空いたロータスが話しかけに来た。
「実力が同じぐらいの奴との戦闘はいい経験になるだろ? それに穂乃香は日坂をライバル視してるしな」
「……月島様はどちらが勝つと思われますか?」
「穂乃香だな。お前はどう思う?」
「……私もそう思います」
まあ、普通に考えて穂乃香に負ける理由が無いからな。
今回の目的は日坂を凹ませる事。
「お前らが一昨日の夜話していた事はあながち間違っちゃいない。そして現状日坂は俺が求めるに達していない。だから凹ませておく」
「……貴方はいったい何をしようと考えているのですか?」
「…………そうだな、お前にも関係ある事は教えておこう。人間がレベル100に達すると、魔族に進化する。お前らはその可能性を秘めてるからくれぐれも100にはならないよう気を付けるんだぞ」
「…………なるほど……そういう事でしたか。これは日坂様にお伝えしても?」
「好きにしろ。それで折れる様ならそれまでだ。知ろうが知るまいが、できなければ置いて行く」
穂乃香と日坂の戦いを見る。
穂乃香が押し、日坂が押されている。
でもそれはステータスやスキル、実力経験云々じゃない。
理由は簡単だ。穂乃香は躊躇いが無い。日坂には躊躇がある。
ただそれだけだ。
日坂には対人戦において躊躇いがある。
現状、全く話にならない。
こりゃ勝負が付くのも時間の問題だな。
「氷くーん! 勝った! 勝ったよ~!」
(褒めて! 褒めて! 褒めて!)
分かった分かった。褒めてやるって。
穂乃香の頭を撫でてやる。尻尾生えてたらブンブンだっただろうな。
「くそぅ……穂乃香ちゃんに負けるとは」
「日坂様、今後も厳しく指導してまいります」
「……よろしくお願いします」
これで少しは変わればいいが、
なぜ負けたのかを気付けない内はまだまだだな。




