再び
あの後、日が暮れる前に穂乃香と神奈は帰ってきた。
まあ、つまりはそういう事である。
神奈に、帰って来ていたのなら何故止めに来なかったのかと、恨みがましく睨まれた。
ワイバーン狩りで疲れてるのに、なんでそんな用事で呼ばれねばならぬ。
そもそも自分達で止めなさいよ。
フィアに頼めばよかったかなと、後から気付いたが後の祭りである。
今日リノはフィサリスと一緒に風呂に入る。
そのため水奈が俺と一緒に入る理由がなくなってしまい、少し寂しそうだった。
湯船で俺の肩に頭置くの気に入ってたもんね。
一緒に入ってあげたいところだけど、理由無しに水奈と一緒に入ると穂乃香が入りたいって言うからね。
そして穂乃香と入ると襲われちゃうからね。
という事で風呂は1人。ゆったりと入った。
そして夜、俺は水奈の部屋に来ていた。
自分の部屋で最近寝てないな。
水奈は自分のベットから俺の匂いがする事に内心喜んでいる。
この匂いフェチめ。
「お兄ちゃん……あと半月後にはクーデターが起きるんだよね……」
どうやらクラスメイト達が心配なご様子。
水奈は友達思いだなぁ。
「大丈夫だ。行きと帰りで立ち寄ったが、全員問題無かったよ」
通り道だったためブルーゼムにも立ち寄った。
俺、日坂、フィサリスとロータスが指名手配にされている事以外異常は無かった。
何しとんじゃいあの糞王、焼き入れんぞコラ。
いや、喧嘩を売ったのは俺か。
それに仮にもラミウムの父親だ。止めておいてやろう。
ラミウムに感謝しやがれ糞王!
「そっか……」
ベットに横になって水奈の手を握る。ついでに頭も撫でてやる。
最近リノと一緒に腕枕で寝る事が多かったため、今も腕枕をされたいと思っているが、
リノが居ないため言い出しにくくなっている。可愛い奴め。
「水奈、ほら」
「……! ……ありがと」
水奈の頭の少し上に腕を差し出してやると、素直に頭を置いた。
今は少しだけ甘やかしてやろう。
「この間な、穂乃香との組手で勝った数だけ甘やかしてやると言ったんだ」
「……? じゃあ穂乃香相当頑張ったんじゃない?」
「ああ、俺から一本とってみせた」
「ホントに勝ったんだ……凄いね。穂乃香は何を望んだの?」
「まだ望んでない。この後、これから望むんだ」
「これから……それって私が寝た後お兄ちゃんは穂乃香の所に行くって事……?」
2日連続で朝まで一緒だったから、朝起きて俺が傍に居ないのは寂しいらしい。
もうヤバい、俺の妹マジ可愛い。
「いや、朝まで一緒に居てやる、というか居る事になる」
「居る事になる……? それってまさか――」
「――そういう事だよ水奈」
「穂乃香!? いつからそこに!?」
ついさっき。空間魔法で扉使わず侵入してきた。
「そういう訳だから水奈、俺と一緒に腹括ってくんね?」
「お兄ちゃん!?」
「うふふ。こないだは氷君からだったから……今日は水奈から行こうかな」
「や! ちょっと、穂乃香――」
「はぁあぁ……サドな水奈……これはこれで良い……」
「…………何してるんだろ私……」
「でも、水奈はやっぱり受けだよね~」
「ほ、穂乃香……? ちょっとお兄ちゃんまで!」




