表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
120/346

デート

 ワイバーンの巣、そこには大きな卵が一つ置いてあった。

 ………………

 

「どうしたの~ご主人様~?」

「……この卵の親ってさっきのワイバーンだよな」

「……? うん、たぶんそうじゃない?」

「これから生まれてくるワイバーンはリノのペットにする予定だろ? 主がパパ、ママと呼ぶ相手が親の仇とはなかなか複雑なもんだなぁと思ってな」


 両親を殺した者の子供にペットとして育てられる……これだけを聞くと外道に聞こえなくもない。

 

「そんなの今更じゃない? モンスターだった生き物だよご主人様。家族が居れば仲間だっている。私達人間はそういうモンスターを倒してレベルを上げてるし、モンスターも家族や仲間がいる人間を殺している。仮にこれから生まれてくるワイバーンがリノのペットになって、同族のワイバーンを殺す事になったとしても、それは私達がさっき賊共を殺したのと変わらないよ。結局等しく生き物で、弱肉強食なんだよ」


 そう語ったフィサリスは悲しげな目をしていた。

 

「スラムで生まれて実力で成りあがったお前らが言うと説得力あるな」

「あー! ご主人様それあんまり触れて欲しくないのに~! また美味しくないご飯思い出しちゃうでしょ~!」


 人も結局は生き物で、世界は弱肉強食である。

 ステータスが物を言うこの世界では尚更だ。

 実力や権力のあるものが上に立ち、無きものは虐げられる。

 だからこいつらは力を求め競い合い、レベル70代にまで上り詰めた。

 そんなこいつらでも権力に負ければ牢行きにされる。

 まさに弱肉強食。だから俺も強くならなければならい。

 身寄りの無いこの世界で権力を手に入れようなんて無理な話だ。

 なら力が、純粋な力が必要だ。

 弱者は強者に飲み込まれる。せめて対等にまで立たなければ交渉の余地すらなく、利用され棄てられるだけだ。

 もっと力が……

 ワイバーンの卵を空間収納に入れる。

 

「任務完了だね~……時間あるしお姉さんとこのままデートしちゃう?」

「そうだな」

「え?」

「近くにな……ワイバーンが計7体いるんだ」

「…………も~ご主人様は仕方ないなぁ~。あんまりし過ぎるとラミウム様に怒られちゃうからね~?」

「分かってるよ」

「……ふふふ、良いよ。手伝って上げる」


 さあ、ワイバーン狩り(デート)に行こうか。

 

 

 

 

 月島 氷河

 Lv 34

 HP 175/175

 MP 350/350

 

 STR 37 (+27)(+50) 〔114〕

 DEF 38 (+27)(+25) 〔90〕

 AGL 76 (+51)(+20) 〔147〕

 DEX 78 (+63)(+15) 〔156〕

 MIND 116(+82)(+65) 〔263〕

 INT 119 (+75)(+15) 〔209〕

 LUK 27 (+21)(+5) 〔53〕

 

 

 今日だけでレベルが5上がってる。

 相当取り戻せたんじゃないだろうか。

 このままならクーデターまでに最低目標の40は届くだろう。

 

「ご主人様! ご主人様!」


 分かった分かった。見えてるから。

 

 

 フィサリス

 Lv 74

 HP 375/375

 MP 750/750

 

 STR (82)=123

 DEF (79)=118  (+25)〔143〕

 AGL (185)=277 (+15)〔292〕

 DEX (232)=348 (+15)〔363〕

 MIND (331)=496 (+20)〔516〕

 INT (287)=430 (+15)〔445〕

 LUK (46)=69  (+5)〔74〕

 

 

「超ー久しぶりのレベルアップ! これでロータス出し抜いた!」


 ガッツポーズのフィサリス。どんだけ対抗心燃やしてんだよ。

 しかし牢から出てレベリングも重ねてるのに、ワイバーンまで含めてようやくレベルアップとは……レベル70代ともなるとやっぱり上がりにくいんだな。

 

「さて、帰るか。今日は疲れた。杖はまた次の休みに作ってやる」

「うん!」


 うんって……何でもいいけど君、俺の前だとキャラブレッブレだね。

 お姉さんぶったり、素直だったり、忙しい奴。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ