氷河
ワイバーンの巣の近くまでやって来た。
卵発見。そしてワイバーンは……
「2体か、思ってたより少ないな」
「え、ご主人様もっと戦うつもりだったの?」
「最近レベリングに行けてなかったからな。折角だから多めにしておきたかったんだよ」
ワイバーン
Lv 72
HP 780/780
MP 595/595
STR 207
DEF 165
AGL 232
DEX 158
MIND 189
INT 164
LUK 52
ワイバーン
Lv 75
HP 810/810
MP 610/610
STR 213
DEF 172
AGL 258
DEX 162
MIND 191
INT 184
LUK 55
まあ、両方ともレベル70越えだし、あれで我慢するか。
「ご主人様って割と好戦的だよね~」
好戦的、ねぇ……
「……あの速度は脅威だな」
「え? そう?」
ああ、君のスピード累計288だもんね。
フィサリスの方が早かった。
因みにロータスの累計は496。あれはわけ分からん。
「私は問題ないけど、ご主人様は大丈夫?」
「問題ねぇよ。格上相手なんて前までよくやってた。その感覚を取り戻すために来たんだから」
「ねぇご主人様~。強いのはどっち?」
「あっちだ」
「じゃあそっち行ってくるね~」
フィサリスはレベル75のワイバーンの方へ飛んで行った。
俺も行きますか。
ワイバーン
Lv 72
HP 780/780
MP 595/595
あの速度は俺にとって脅威だ。
遠距離から攻撃したとして、一気に距離を詰められたら対応できない。
なら――
「接近戦一択だな『テレポート』『アイススラッシュ』」
ワイバーン
Lv 72
HP 696/780
MP 595/595
属性 風 耐性 土 弱点 氷
案外簡単に終わりそうか?
いや、油断は禁物だな。
「フィア、MPならくれてやる。ファイヤーボールを散りばめて錯乱してくれ」
『任せなさい!』
俺に頼られてフィアが生き生きとしている。
楽しそうで何よりです。
大量に浮かび上がったファイヤーボールでワイバーンは身動きが取づらくなっている。
高い機動力も動けなければなんてこと無いな。
「『テレポート』『アイススラッシュ』『アイススラッシュ』
常々思う、無詠唱のスキルが欲しい。
ワイバーン
Lv 72
HP 0/780
MP 212/595
ワイバーンの風魔法でファイヤーボールが吹き飛ばされたりしたが、まあ問題なかったな。
さてフィサリスの方は――うわっ
重力魔法で飛竜が地に落とされてる。なんてむごい。
俺もそうすればよかった。
「それじゃあね~『グレイシャー』」
レベル7の氷魔法『グレイシャー』。つまりは氷河。
氷河とは、重力や氷自体の圧力によって塑性流動――形を変えたまま流れゆく氷の塊。
浸食と堆積を活発に行い独特の地形を作り上げる。
一度形が変われば元の形に戻る事は無い。近い形に戻れたとしても決して同じ形には戻れない。それでも流れ続ける、それが氷河。
親父が何を思ってこれを俺の名前にしたのかは知らないが、言い得て妙だな。
好戦的と言われた。俺の今はそうなってるのかもしれない。
転移してたった半月前だ。だが、半月前までどうやって過ごしていたのか。
覚えていても今更同じように出来るとは思わない。
さっきも難なく人を斬った。
俺は今後も変わり続けて行くのだろう。
「ご主人様~! 終わったよ~!」
見えてる見えてる。分かってる。
月島 氷河
Lv 31
HP 160/160
MP 320/320
STR 34 (+27)(+50) 〔111〕
DEF 35 (+27)(+25) 〔87〕
AGL 70 (+51)(+20) 〔141〕
DEX 72 (+63)(+15) 〔150〕
MIND 107(+82)(+65) 〔254〕
INT 110 (+74)(+15) 〔199〕
LUK 26 (+21)(+5) 〔52〕
流石レベル70といったとこだな。
卵を回収して帰りますか。




