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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
116/346

キス

 ハッ!と目が覚めた。

 なになになに何事!?

 耳? 耳だな。

 水奈に耳をハグハグされている。

 水奈何してるん!?

 って寝てるのか……でもハグハグは止めないか。

 とりあえず顔を背け……ってリノ顔近っ!

 そこもう腕じゃ無くて肩だよ! そして唇触れそうな距離だよ!

 いかん、いかんぞ俺。リノとキスは洒落にならん。ロリコン認定されるぞ。

 顔を上に向け……水奈っハグハグするの止めなさい!

 ぬぐぐ……どうするこの状況……! 二人とも寝てるから動くに動けない。

 でも耳を咥えられるのは耐えられん!

 こうなれば!

 

「んっ」

「…………」


 水奈の方を向く。

 必然的に水奈とキスする事になる。

 でも仕方ないと思うの。リノとキスする訳にはいかないし。

 耳咥えられるのは俺が持たないし。

 って水奈ちゃん? キスしてる最中にハグハグされるのは……

 ……あのー……そろそろ起きて欲しいかなって…………

 …………少し舌噛むね?

 

「……ん? ん~~~!?」


 お、ようやくお目覚めかい。

 お兄ちゃん色々大変だったよ。

 

「――っぷはぁ……お兄ちゃん朝から何してるの!?」

「冤罪だ。とりあえず話を聞いてくれ」




「――という訳だ」

「……えと……あの……その……怒鳴ったりしてごめんね……?」


 顔真っ赤にしながらそんなもじもじと謝られたってねぇ?

 許す、超許す。むしろありがとうございます。

 しかし寝ぼけてしゃぶり付くとは……夢に見る程昨日のフルーツアートは嬉しかったのか。今度また作ってやろう。

 まあ、俺もプリンの夢見て穂乃香の指咥えてた事あったしな。

 やはり兄妹、血は争えぬ。

 

「あの、お兄ちゃん……できればその……普通に、キス……したいなぁって……」


 なんと可愛いおねだりだろうか。

 でもそうか。水奈とのキスって一度目は喪失状態、二度目は穂乃香に襲われた時、三度目が寝ぼけてと。普通にキスってした事無いのか。

 普通のキスって何だ。そもそも兄妹でキスする事自体が……

 うん。これを考える事に意味は無いな。無いったら無い。

 でもなんかドキドキしてきた。さっきしたのに不思議。

 

「……水奈……」

「……お兄ちゃん……」


 水奈の唇が近づいて来て……そして……

 

「パパ、何してるの?」


 そして……

 

「パパ?」

 

 ……この野郎。

 

「リ、リノちゃん!?」

「なんだリノ、起きたのか」

「うん」


 なんつうタイミングで起きるんだお前は。

 水奈から求めてくるなんて極レアなのに。

 リノが俺に抱き着いて来る。

 何々どうしたの? はっ!

 

「ちゅ」

「っ!」


 あ、あぶねぇ! 今首を背けなきゃ唇同士で当たってたぞ!

 

「ん? 外した」


 狙いやがったな! 油断も隙もねぇ。

 

「フィア! ガードだ!」


 俺はフィアを呼び出した。これで俺の唇は守られる!

 

『ガード? 私もキスすればいいの?』


 何故そうなる。フィアってちょいちょい悪ノリするよね。

 

「あれ? フィアちゃん、そのチョーカーって穂乃香の?」

『これ? これはね~』


 フィアがチョーカーを水奈に付けて、水奈のカチューシャも付けさせる。

 お、お前まさかっ!

 

『手はその角度でその構え。よし! 水奈、にゃん!』

「にゃん?」

「ぶはっ」

「お兄ちゃんっ!?」


 月島氷河。死因、悶え死。

 かわかわかわ、可愛過ぎだろ……

 俺がしばらく悶えながら死体ごっこしているとリノがツンツンと突いて来た。

 やがてキスしようとしてきたので生き返った。

 まったく油断も隙も無い。

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