氷河の妹
夕食に水奈へ向けてフルーツの盛り合わせを作った。
スキルフル活用して盛大に盛り付けた。初めてまともに使われた『料理Lv6』
頑張り過ぎてもはやフルーツアートとなっていた。
そんなフルーツアートオードブル。周りからは色んな意味で食べにくいとの評価を頂き、水奈には「アホじゃないの」と言われてしまった。
うん。ちょっとやり過ぎた感はある。
でも酷評ながらも水奈が笑ってくれたので兄は大満足です。
結局水奈1人で食べれるような量じゃ無かったからみんなで食べた。
リノは俺の作ったフルーツアートを凄いと言いつつ柿を迷いなく食べていた。
一番迷い無かったなぁ。柿で作ったバラの花は瞬く間にテーブルから消えて行った。
まあ、食べて貰ってこそなんだけどね。
そんな夕食を終えて現在は風呂。
リノが一緒に入りたがったため水奈も一緒である。
「水奈、その……今朝はすまなかった」
「いいよ別に……私の扱いが雑なのはいつもの事だし」
「そんなつもりはないぞ」
「本当に? ほんとーに?」
水奈の顔が近い。可愛い。
じゃなかった。どうしてそんなに疑われるのでしょう?
「穂乃香に安売りしてない? 貸し与えてない?」
「…………」
「ほらーやっぱりしてるじゃん」
「……善処します」
しないとは言わない。それはほら穂乃香の希望とか色々あってだね。
「……いいよ。私はお兄ちゃんの妹だからね」
水奈はそう言って俺の肩に頭を乗せる。
俺は水奈の兄で水奈は俺の妹。
互いに向ける感情は兄妹のそれでは無く、肉体的関係も持ってしまった。
だが、俺らが兄妹である事に変わりはない。
それはこの転移した先の世界で、唯一遺伝子に刻まれた変わる事のない確かな繋がりだ。
俺と水奈だけは他人になる事が無い。できないのだ。
「フルーツ……ありがとね。食べずらかったけど、嬉しかったよ」
「そうか。喜んで貰えて何よりだ」
「お兄ちゃんはそういう所ずるいよね」
「ずるいか?」
「うん、ずるい。昔からそうだったけど、こっちに来てスキルで見れるようになって余計にずるくなった。このタラシめ。えい」
水奈に頬を突かれる。可愛過ぎか。
お前だって十分タラシだろうが。一体何人の犠牲者が被害にあったと思ってるんだ。
「ずるい、楽しそう」
俺の膝の上に座っていたリノが、俺と水奈の間に割って入った。
リノ……そこに割り込むとは良い度胸じゃないか。
リノは何を思ったかそのまま水奈の胸を揉み始めた。
「やわらかい」
「何してるんだリノ、それは俺のだ」
「いや、私の胸は私の物なんだけど……ってリノちゃん! そこは駄目!」
風呂で一騒動あったが今は水奈の部屋で水奈、俺とリノの3人で横になっている。
前回同様俺が真ん中の川の字。川って真ん中が一番短い筈なのに。
歪な川である。
風呂で何があったのかはまあ……神奈との3人部屋で穂乃香にされてた事に比べればマシ、とだけ言っておく。
水奈ってそういうポジションだよね。
これまた前回と同じくダブルで腕枕。両腕に花とは俺も偉くなったのう。
妹と養子だけど。片方は5才だから花どころか蕾としても怪しいけど。
今日は穂乃香を甘やかしには行かないので俺もこのまま寝る。
穂乃香は一回の権利を明日まで取っておくんだって。
リノは俺の方を向いて、水奈はうつ伏せながら顔を俺の方へ向けて手を繋いでいる。
こうやって静かに寝るのも悪くない……けど、
これ次の日腕痺れてたりしないだろうか……
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