果物
穂乃香との組手を終えて水奈、フィサリス、リノと合流する。
水奈は今日、初めて1人でモンスターを倒したようだ。
1人って言っても精霊の力は借りてるけども。
リノも見よう見まねで聖魔法を使ってみようとするものの、上手くは行ってない模様。
いや、そんな簡単に使われても困るんだけどね。
火山火口付近に放置していた日坂たちにも合流。
神奈に暑かったと文句を言われた。
どんな状況でも戦えるようにならなきゃ駄目なんだぞ?
全員で屋敷に戻る。
だが、俺は買い出しにいかねばならない。食材がもう切れる。
料理を作るのは俺とラミウム……よってリノを加えた3人で買い出しとなった。
「氷河様と一緒に行動するのは久しぶりですね」
「飯作るのが他に居ないからな……こればっかりは仕方ない」
俺はリノを肩車し、ラミウムと共に食材を探す。
(前はカップルに見られましたが、今は家族に見られてますね)
うるさい。余計な事を言うんじゃない。
(リノ様と二人で来るよりかは良かったのではないですか?)
まあ、リノと二人の場合良くて兄妹、悪いと犯罪者と間違えられかねないからな。
それに比べたら家族に見られるのはまだマシではある。
因みに穂乃香と3人の時は知り合いの子を預かってるカップルに見られていた。
決して家族では無い。穂乃香の方が身長高いのに不思議。
(穂乃香様にはあどけなさと言いますか、行動の節々に可愛らしさがありますからね)
ほぅ、自分はそうではないと。
(さて、どうなのでしょう。氷河様はどう思われますか?)
どうって…………年相応?
(褒め言葉として受け取っておきます)
食材の買い物を続けていると何やらリノが反応を示した。
何? 何か欲しいものでもあるのん?
リノが示した方向、そこには果物屋があった。
なんだ子供らしい所もあるじゃない。
「リノ、どれが欲しいんだ?」
「あれ」
リノが指さしたのはオレンジ色の果実。
柿である。柿て……
ミカンとかじゃないのね。なんか毎回の如く予想の斜め上を行くね君。
フルーツは水奈が好きだったな。多めに買っとくか。
(氷河様、私も良いですか?)
うん。好きなの選びなよ。
そして選ばれるキウイ。知ってたけども。なんでそんなマイナーなの。
俺? 俺はリンゴかな。王道。おいしいよねリンゴ。
そうして食材を買い終えた帰り道、リノにアレを買ってやることにした。
幸運の指輪 LUK+5
みんな付けてるからね。リノにも上げよう。
指には嵌らないから、穂乃香と同じくチェーンに通して首に下げてやる。
大きくなったら付けるといいよ。