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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
105/346

甘やかし

 屋敷の個室の部屋数は2階と3階で計16部屋。1人1部屋でも余りが半分程出る。

 3階に俺、水奈、穂乃香、フィサリス、リノの部屋。

 2階に日坂、神奈、ラミウム、ロータスの部屋となっている。

 俺、穂乃香、フィサリスは空間転移が可能なため3階でも問題なく、リノも適正はあるためその内使えるようになるかもしれない。

 水奈だけは使えないが大丈夫だ、俺が連れて行く。まあ、元々陸上部なだけあって体力はあるから3階ぐらい何ともないみたいだけど。

 リノの部屋は一応あるけど本人の甘えっぷりから見るに1人で寝るのはまだ先の話になりそうだ。

 まあ、まだ5才だしな。仕方ない。

 俺は約束通り水奈の部屋へ行った。

 やはりと言うか何というかリノが付いて来たため、水奈、俺、リノの3人で川の字になって横になる。

 リノが来ることを予想して、穂乃香には夜這い自重の命を出してある。

 リノも手を繋いで欲しいのか聞くと、なんと腕枕希望。

 こいつはいつも斜め上を行くな。

 すると水奈まで腕枕を希望。俺の二の腕に頭を乗せこっちを向く水奈だが、

 やはり手は繋ぎたかったのか後ろで俺の右手に左手を絡めている。

 そして空いた右手は俺の胸板に……やだ、水奈が大胆!

 まあ、それ以上は何もなく水奈もリノも普通に眠った。

 こんな静かな夜も悪くない……のだが。

 

(氷君……氷君……)


 アレを放って置く訳にも行くまい。

 俺は2人の頭の下からゆっくりと腕を引き抜き、枕を置く。

 なかなか神経の使う作業を終えると、穂乃香の部屋……の扉の前に転移する。

 一応ノックして確認は取るべきだよな。

 

「穂乃香」

『ひょ、氷君!? えっと……ちょっと待ってね!』


 穂乃香はいそいそと乱れた服装を元に戻そうとし……諦めた。

 諦めちゃうのかよ。

 

『えーっと……ど、どうぞ……?』


 まあ、穂乃香が良いなら良いけども。

 俺は穂乃香の部屋へと入る。

 

「えへ……えへへへ……うぅ~……」


 そこには服が乱れ、顔を真っ赤にした穂乃香が居た。

 

「……リノの面倒を見る都合上、今後は日中にお前を甘やかす機会がどんどん減って行くだろうからな。夜はお前を甘やかしてやる事にした」

「氷君……それってつまり――!」

「俺が来たせいで途中なんだろ? 今日は俺がお前の望むように相手してやる」

「氷君……! 大好き!」




「はぁあぁ……鬼畜な氷君も素敵……」


 つ、疲れた……演技と言うか、役になりきるって難しいな……

 

「じゃあ氷君、次逆行ってみようか」


 逆……だと……?

 

「ま、待て穂乃香。俺は別に虐められて喜ぶ趣味は――」

「――望むようにしてくれるんでしょ? 可愛い氷君もみたいなぁ~うふふふ」




「――、―――――」


 あぁ……あのまま寝ちゃったのか……

 

「氷―、―き―――――ちゃ―よ?」


 まだ、そこまで明るくないようだが。

 

「おはよう、氷君」

「……ああ、おはよう」


 穂乃香は満面の笑み。

 だが今日は膝枕じゃない。昨日と変わらず抱き合ったままだ。

 

「ふふふ。昨日したのに、氷君は朝から元気だね」

「……生理現象だ」

「でもこのままじゃ辛いでしょ……?」


 朝まで穂乃香にされるがまま……

 穂乃香をやたらに甘やかすのは止めよう。本当にそう思った。

100話を超えましたがまだ転移して14日目の朝。

スローペース過ぎるんでしょうか……うーむ。

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