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鑑定は死にスキル?  作者: 白湯
メインストーリー
104/346

何となく

 この屋敷の浴室は一つ。浴槽の広さは大人3人でも問題ない程。

 その浴槽に俺とリノ、そして水奈の3人で入っていた。

 これはリノが俺と一緒に入ると言って聞かなかったからだ。

 どうしてそんなに懐いたのやら。

 なんで水奈も一緒なのかって? 俺がリノを洗う訳無いじゃん。

 リノのお世話係だよ、お世話係。

 穂乃香も希望したけど、世話役に慣れてないから却下。

 世話焼きという意味ではラミウムも水奈と同じぐらいだが、ラミウムとは今距離を起き中。ラミウムとの3人は色々と問題がある。

 フィサリスはママと呼ばれはしてるが元々子供相手が得意な訳では無い。どちらかというと俺らより。それに長時間あいつと2人……リノを含めると3人だが、他の奴がいないと変な雰囲気になるからな。

 結果、選ばれたのは水奈でした。

 ちょっとした家族風呂気分。一緒に入るの妹と養子だけど。

 

「ねぇリノちゃん! お姉ちゃんの膝に乗らない?」

「いや」

「うぅ……残念」


 リノ、お前天使の誘いを断るとは何事だ。

 むしろどうしてそんなに水奈に世話を焼いてもらいながら俺の膝の上に座るんだ。

 鑑定様で調べても何となく(・・・・)としか分からないから困る。

 俺をパパと呼ぶのも何となく。俺の傍に居たいのも何となく。

 何となくって何なのよ……

 でもリノの中に譲れない何かが有るらしい。

 鑑定様でもよく分からないなんて……リノ、やはり大物か。

 

「ねぇお兄ちゃん。リノちゃんってさ、小さい頃の穂乃香に似てない?」

「穂乃香にか?」

「うん。穂乃香って小さい頃必要以上に喋らないと言うか、単語だけ淡々と話してたじゃん」


 穂乃香は今でこそ何かと騒がしいが、昔は言葉数がもっと少なかった。

 そもそも穂乃香の今の口調は水奈からの影響が大きい。

 穂乃香の現在は、下手くそだった『感情表現の仕方』を覚えたものだ。

 

「確かに似てるな……じゃあその内水奈にも懐くんじゃないか?」

「じゃあその内お兄ちゃんに惚れちゃうかもね」

「それは困る。穂乃香みたいなのがもう1人とか勘弁してくれ。穂乃香は1人で良い、むしろ1人だからこそ良い」

「私に惚気られても……でもお兄ちゃんを気に入ってる辺りとかも一致してるよ?」


 逆を言うとフィサリスを気に入った辺りは一致してないんだよな。

 まあ、出会い方も違えば環境も違う。穂乃香みたいになるとは限らない

 穂乃香が悪いとは言わないが、リノには水奈寄りに成長して欲しいものだ。

 俺や穂乃香は反面教師。

 

「リノ、他人の事を有象無象と呼ぶんじゃないぞ」

「……?」

「いや、普通そう呼ばないでしょ」

「穂乃香は呼んでるぞ」

「……穂乃香らしいね」


 まあ、そんな穂乃香だから俺も水奈も大好きなんだがな。

 

「ねぇお兄ちゃん……今日は手、繋いでくれる……?」

「……ああ、繋ぎに行く。もしかしたらおまけでリノが付いて来るかもしれないけどな」

「そっか……」


 水奈が俺の隣に座り、俺の肩に頭を乗せる。

 膝の上にリノ、左肩に水奈。うん、動けない。

 のぼせる前には上がろうね?

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