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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

俺の職業がチートすぎるorz

作者: シスコーン

久しぶりに勢いで書きました

反省と後悔しかしていません

この世界は職業と呼ばれる物が存在し、それは日常生活にも影響をおよぼしている。

職業と見合った物を行おうとすると酷く失敗したり、その職業を持っている奴に比べて出来の悪いものとなったりする。


まぁだからといってその職業にならなければいけないというルールも法律も存在しない。

職業は7歳ごろまで選択することはかなわず更に決めるのは本人の適正や夢、親の職業などだ。よっぽど例外出ない限り1枠しかとれはしないがどれを選択してもいいし上位職や複合職、ジョブチェンジも狭き門ではあるが可能だ。

選択をする年齢も決まっておらず最高確か92の未定職業選択者がいた。


また、まれではあるが1部職業は生まれた時から決まっているのもある。

勇者とか王様とかね


まぁそれでも、職業というのは一般的に言って強制力など存在しないただの補正でしかなくそれを行うかどうかなんて自分の心行き次第。それを強化するのも弱体化させるのも自分の気持ち一つだ。


....いや、うん。普通はね

それが何故か俺の職業は何というか、強すぎる。

7歳の誕生日に強制的に決まって、それもどれだけ他のことを努力してもジョブチェンジができない。

上位職どころかカンストまで無い。

生活に影響をおよぼしているどころの騒ぎじゃない。下手すると俺を殺しに来てる。




俺、フィルマーク・アルト・ノイジェスは生まれてこの方職業が悪役令嬢なだけの平平凡凡な男子学園生である。


.......どうしてこうなったんだ


+++


「私、グレイセス・オルトロス・ハーバンドはこの卒業パーティで フィルマーク・アルト・ノイティス との婚約破棄を宣言する! 」


今日は記念すべき第156回生の卒業パーティである。

そのため王宮の1部を貸し切って行われた広い会場のなか踊り場から現れた今年卒業された継承権第2の王子は横に美少女を侍らせながらそう、宣言した。

王子の宣言により会場はざわめきこちらを、というか俺を伺う様に見ている。

中には露骨にこちらを見下して来る奴もいる。が、一言言わせて頂いてよろしいか


お、れ、は、男だ!


というか俺の名前はノイジェスであって決して第二王子などと婚約したノイティスではない


何が悲しくて(それもイケメン)と婚約しなければならないのか!

俺の上にはねーちゃんもねぇ様も目に入れても大丈夫なちょーかわええ妹もいるのに!


まぁ、ねーちゃんはともかく妹とクソ王子が結婚しようものなら全力で邪魔するがな。


ちなみに王子の婚約者である フィルマーク・アルト・ノイティスというのはうちの双子の暴君の名である。

断じて婚約しているのは双子の妹のティスであり俺ではない。


では何故俺がまるでティスの様に扱われているのかと言うとあいつが引きこもりなのが悪い。

学園には特待生で入学し、常に王国一と言われている学園の図書館に堂々とした佇まいで朝から夜ご飯を呼びにいくまで引きこもっていやがる。

おかげで表舞台に出ている俺を勘違いしている奴が多くてまじ困っている。俺が何回訂正しても理解してくれないのだ。戯言をほざくな!それは社交界に全くで無いことで有名な双子の弟の名前だろう!とか言ってくる。

ズボン履いてるのが見えねぇのか

お前らの目はついに腐ったのか


誰だよこの学校が王国一の学園と言ったヤツ。馬鹿ばっかじゃねぇか


そして何故か俺は王国一の悪女と言われているのにあいつは図書館の精霊などと呼ばれているのだ

結構顔似てるのに...



っと、今は原因を追求すべき時ではない。そう問題はこのとんちんかん腐れ王子が婚約破棄してくれたおかげで騒然となっている会場をどうするかだ。

俺はとりあえず場を収めようと試みる。

どうせ何言っても勘違いされるだけだし


「王子、その話はこの場では不適切でございます。めでたい場なのですからその話はまた内々で....」

「ふん、どれだけお前が喚こうと私の考えは変わらん!」


は、な、し、を、き、け...!!


俺がいつお前に喚いたよ!誰とお前がどうなろうとどうでも良いわ!


「どうか落ち着いて下さいませ王子。

そのように王子たるものが声を荒げるのは...」

「はん!今更釈明など、お前が嫉妬からティスを虐めていたということはわかっているんだぞ!

仮にも公爵家のものならば潔くするんだな」


かっちーん


え、これ怒っていいよね!どう考えても世間の悪役令嬢よりも俺罪ないよね!


だが王子の合図により守備学生に囲まれてしまった。守備学生は俺を取り囲み剣こそ突き立てないものの凄い目つきで睨んでくる。


その中には昔友人だったはずのオレルガの姿もあった。


ああもう疲れた

どうしてこうなったのだろうか

俺はただ普通に学園に通っていただけなのに


原因などわかっている。

全てこの俺の職業のせいであろうことなどわかっているのだ

どうしようも無いことだと理解しているのだ。


でも、それでも小さな時笑いあった友人達に貶められるなんて誰がいったい想像するのか。


彼らの中に俺はもういない。


もうどうにでもなれと思い自分から会場を早足で抜け出し守備学生をのして廊下に出る。

せっかく人が助けてやろうと思ったが向こうがその気ならしょうがない。

せいぜい後でたっぷり国王にでも怒らればいいのだ。

あいつらなんてもう知らん。



「ジェス、泣いてるの?」

「うるさい、ティス。誰のせいだと思ってる。」


しばらく廊下を行くと聞き覚えのありすぎる声がした。

目の前には会場で馬鹿王子の横に立っていた美少女、俺の双子のティスがいた。

おそらく俺がいなくなって慌てて会場を抜け出してきたのだろう少し息が荒い


「ごめん」

「.......こっちこそ当たってごめん。別に、ティスがやりたくてやったわけじゃないってわかってる」


ティスはむしろ被害者だろう。おそらくいつもどおり図書館に引きこもっていたところ何も聞かされずに王子に引っ張り出されたことは用意に想像出来る。

でなければ社交界嫌いな彼女が踊り場にあがるなどといった目立つことをするはずないのだから。


「違うのごめんっていうのは今までのこと。

私がもっとちゃんとしてればジェスがこんなに傷つくこともなかったのに...」


それは違う。どちらが悪いなんて当たり前のように俺の職業が悪い。


この俺が悪役令嬢なんてものでなければ女に見えることも、ティスが結果的に婚約破棄されることもなかったのだ。


俺の、俺の職業さえ無ければ.....


あと、自分の婚約者の顔すらろくに知らなかったクソ王子も悪い。隣に婚約者いるのに隣と結婚したいから婚約破棄するとか意味わからん。絶対あんな奴にティスは渡さん


「ジェス.....」


というかもう何なんだ。いくら職業が悪役令嬢だからって子供ん時親友だったヤツのことわかんなく何のか?現に一部の上の人はちゃんと俺のこと認識してくれるし...ちょと第二だったとしても王子としてどうよ。

だいたいあいつに便乗するやつらもやつらだよな。1歩譲ってティスに惚れてるのもしょうがない。家族の欲目ももちろんあるだろうけどティスは母様似の超美人さんで確かにめんどくさがりな面はあるものの気遣いはできるし、性格はおとなしいけどしっかりとしたところもあるし。学も伊達に図書館に通ってないって感じですっごい優秀だし

でもさわかるけど王子が好きになったらもうそこで諦めない?なんでまるでお前ら全員のもののように共有しようと扱ってるわけ?馬鹿なのか、ああそういや昔っからの友人も忘れるような人間やったわ。最近なんて授業ろくにでてないし俺やティスよりも、いや、奨学生にすら成績抜かれてるのに親の威光でやりたい放題。担任に出席態度や生活態度を諌めるよう言われて人が丁寧に教えてやってるにもかかわらずなんか俺の気を引きたいならばもっと別のやり方でアピールするんだなとか勘違い甚だしい下世話なこと言ってくるし。そのせいで他の貴族舐められてんのか尻触ってくるやつや押し倒そうとするバカはあらわれるし

だいたいなんで俺があいつらの面倒みなくちゃいけないのか。もうやだ関わるの


「あの、ジェス...?あのバカ王子その他もろもろの事は気にしないで。私が気があるふりした後散々振り回して入念な準備の上に切り落としてドMなクソビッチ掘られ野郎にジョブチェンジさせて男娼に売りつけてや.....ジェス...?」

「......る」

「え、ごめん聞こえなかった」


「出家する」

「え」


「決めた。もうこの職業に惑わされるのは嫌だ!

長男だからって社交界出んの疲れた!腐れ貴族にニヤケながら尻触られるのももうコリゴリだ!領民もどんなことしても怯えて来るかごますってくるし!

こんな世の中なら出家してやるぅぅぅぅ!!」

「ジェスぅぅぅ!!」


こうして一人の悪役令嬢が表舞台から姿を消した。

その数年後同じ名の聖職者が勇者と仲間共に魔王を倒したのはまた別の話



++++


おまけ



「あの、母上。

急に呼び出してどのようなご要件でしょうか...?」

「うん?ほら昔っから可愛い子には旅をさせよって言うじゃない?だからはいこれ」

「はいって、これはいったい.....」

「サバイバルキットよ」

「は?」

「しばらく、そうねぇほとぼりというか怒りが冷める3年くらいかしら旅に出なさい。」

「え、」

「これは最後の選別よ。あ、第二王子の名前は今から名乗っちゃダメだから愛称で紹介しなさいね。

この国の名簿から貴方の名前消しておくから」

「え、母上?何を言って.....」

「全く物わかりの悪い子ね

まぁでも3年後には迎えを出すわ。ティスちゃんすっごい怒ってたし」

「ティス....?あの母上いったいなんの話ですか?」

「ああもうおかげで各国には笑われるしろくなこと無いわね

あら?まだいたのバカ息子。そうねぇすぐ帰ってきて貰っても困るし。衛兵!西の森シュバルツバルトまで持っててくれるそれ?

あら本当?じゃあ頼んだわ。有給にしておくから楽しんでらっしゃい

それじゃあね。バカ息子

3年後会いましょう」




END

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