求人誌、絵、おじさん、美奈子
学校から少し歩いた先にある商店街に入って少しブラブラしてからコンビニで求人誌を買い、店内のフードスペースに座って読んで見た
いいな!と思った先に電話してみると「もう決まりました」と言われたのが三軒目。
そんな急に決まる訳ないかぁ.……
勢いがあっただけに、意気消沈しながらぼんやりと外を眺めていると目の前の喫茶店?らしきお店に目がとまった
少しだけ見える店内に飾られた一枚の絵
なんて素敵なんだろう。
吸い寄せられるようにコンビニを出てお店の窓から覗いていたら、中の人とバチっと目が合ってしまい慌てて逃げるようにお店から離れた
「.…待って!」
わ!追いかけて来た、どうしよう!
覗きで警察行きとか勘弁してよと逃げようかとも思ったけど、謝ったら許してもらえるかもしれない。
「ご、ごめんなさい!あの、あまりにも絵が素敵だったからつい!」
振り向くが早く謝罪の言葉を口にして頭を下げた。許してどうかお願いします!!まだ女子高生一日目なんです!!華々しい生活が待ってるんですぅぅぅ!!
「……美奈子?」
「…………………へ?」
顔を上げるとお父さんぐらいの年齢層の、カッコイイおじ様が私を泣きそうな目で見ていた
「そんな、訳ねぇよな、………何言ってんだ俺は」
はは、と乾いた笑いをしながら、カッコイイおじさんはオールバックにして決まっていた髪を乱暴に手でぐしゃぐしゃとした
「どうして……?」
「ごめんなお嬢ちゃん。……えっと、なんだっけ?絵だっけ?」
ばつが悪そうにそう言って苦笑いしていたおじさんは
「母を……知ってるんですか?」
その一言で笑顔も消え、一切の動きも消え、瞬きすらしてないのかってぐらい石のように固まってしまった。
《薬草!ホイミ!ポーション!》