入学式、カラフル、しんちゃん、ぐふふ
入学式は私が想像するものを遥かに超えていた。
桜坂高校は元々女子校で、今年から共学になったと聞いていたが男子は居ないんじゃないかってぐらい見当たらなかった。そして、問題は女子だ。
これは何色?と思うくらい見事にアレンジを加えたであろうカラフルなカーデガン、リボン、金髪、ピンク色の髪、派手派手メイクとまるでクレヨン落としてバラバラになりました的なしんちゃんもびっくりな光景だった。
指定通りに着ている人を探す方が難しいなんて、恐るべし都会!でも楽しい!ビバJK!
「おぉーい真子ちんってば聞いてるぅー?」
「はう!?」
しまった!都会の荒波に脳内がオーバーヒートしていた為に入学式が終わった事も香奈ちゃんが話しかけてくれた事にも気がつかなかったらしい。ごめんよ
「ホームルームの後、予定あるのぉ?」
「一応美術部に見学に行くつもり!」
お父さんが生きていた時は筋トレばかりしていたけれど、本当は絵を書くのが好き。だけどお父さんを喜ばせたくてあの頃は鉛筆より鉄アレイを持っていた。だけど今は、これからは、普通の女の子として生きてみたいんだ!すまん父よ!
「じゃーあー、もし終わって時間あったら桜坂公園に来ないー?あたし、この後行くつもりなのぉ」
桜坂公園?この学校の隣の公園の事?
よくわからないが、いいよと答えて教室に戻った。
ぐふふ、と笑う香奈ちゃんはとっても嬉しそうで、よほどその公園に行きたかったんだなぁなんてのんきに考えていた。
《笑い方変わってんな、ぐふふ》