ばーちゃん、良い街、悲鳴
「……大丈夫だよばーちゃん寮も綺麗だし、シェアの子もいい子だし
……え?シャーが居るのかって?………違うよばーちゃん、シェア、一緒の部屋って事」
入学式当日の朝五時半
ばーちゃんの電話を寝ぼけながら取ったけどナイスなボケのおかげで話し終えた時には眠気もバッチリ覚めてしまっていた
まだ早いけど、ジョギングでも行けば丁度いい時間になるかも。
六時にセットしていた目覚まし時計のアラームをOFFにして、まだ寝ているルームメイトを起こさないようにゆっくりと着替えて外へ出かけた。
***
さすがに、五時半だけあって歩いてる人は少ない。桜がサラサラと花びらを落としている光景はとても絵になる。田舎には無い花も沢山咲いている。なかなか良い街だ
写真でも撮っておきたいなと思って携帯のカメラを開いた時……
「ちょ、……離してってば!!」
女の人の悲鳴が微かに聞こえた。
いや、まさか、今良い街だなって思ったばっかりなんですけど?
気のせいかなと辺りを見渡してみる。
なんだ、誰もいないじゃん?って思った矢先に目に入ったのは
「離して!!」
「うるせっこのクソガキ!!」
女の人に殴りかかる男だった。