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右腕、左腕、回し蹴り、逃走


慌てて外に出た私の腕が、何かに引っ張られる。振り向いてみるとそれは息子の手で、思わずギョッとした。




「待て」




息子は左手で私の腕を掴んでいて、彼女は息子の右腕を両手で掴んでいて。えぇと、…なんなんだこの状況は?大きなカブでも抜きますか?




「……離して下さい」



とりあえず、掴まれていた腕に力を入れてみる。だけどグググッと空気が揺れただけでその手は離れない。なぜだ。



「ちょっとアンタ!智志から離れなさいよ!!」




えぇー?私が悪いのぉぉ?って困っていると、「綾……お前、帰れ」とか言ってる人が居るし違うよ何か間違ってるよ息子ぉぉお!!




私の願いは届かず、思いっきり右手を振るから彼女の腕がその勢いで離れてしまった。



「……ヤダぁ…智志ぃ…ぐすっ、」




途端に泣き出して走り去る彼女を無視して、私の腕を掴み店内に戻ろうとするもんだから




プチっときました。私。





「……アンタ、いい加減にしなよ」



「……あぁ?」



「テメーの女だろぉが!!くだらん事で泣かせんな!!」




掴まれていた腕を思いっきり払い落として回し蹴りをした。




「……くっ!!!……あっぶね、な、」




だけど寸の所でガードされた……チッ




瞬時に足を下ろして拳を構えると、息子の後ろで目を見開いて驚いている店長の姿が視界に入った




やってもーた……





そう思いながら、名前を呼ばれたような気がしたけど振り返らず、もう全速力で逃走した。





《私の華の女子高人生オワタ(^O^)》






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