良い身体、筋肉、かっ!、ごめんなさい
「….…っ、」
ちょっと思考が停止してしまい、言葉が出ないでいると、彼女が「智志?どうしたの急に」と聞いてくれた。サンキュー彼女!会話繋いで繋いで!
「……や、良い身体してんなと思って」
「かっ!!?」
可愛らしい顔からは想像できないような声が彼女から出た。そりゃビックリするよね?セクハラ発言ですよ?って普通思うだろうけど私にとっては結構な褒め言葉ととらえてしまう。
たぶん、筋肉だよね?鍛えていた時よりかなり衰えて脂肪にかわったなと思ってたけどな?
「………昔、少しだけ、ですけど」
「ふーん、……何を?」
「さ、智志!!!!
腕に付いた筋肉の筋を何の気なしに触っていた私に少し近づくように前屈みになった息子を、彼女が慌てて捕まえていた。ガチャン!とスプーンが落ちる音がして、ボケっとしていた思考が我に返る
あ、もしかして、私、お邪魔です?空気読めてない田舎者ですか?
「お前、何?ウザい」
その言葉は私にでは無く何故か彼女に向けて放ったようで、痴話喧嘩が始まる雰囲気がしたので慌てて食べ終わった食器を勝手に洗って帰り支度をした
「店長!ご馳走様でした!あの、色々ごめんなさい!」
厨房に向かって叫びながら下げた頭を上げると、驚いたような店長の顔がチラッと見えたけどそのまま出口へと向かった
《ああああ都会怖いよー》