逆転
アール「ユウタ…?なんで生きてんだよ!?」
ユウタ「…知りたいか?」
アール「一体なに…が」
アールは察し、先程まで絶望していたカズとサクラを振り向いて確認した。
そこには絶望どころか希望の笑みを浮かべる二人が立っていた。
アール「なるほど…な。始めからお前らがグルだったわけか…」
ユウタ「そうだ」
カズ「いやぁーお前が人狼を名乗り出たお陰でサクラとユウタを疑わう必要が消えて笑いそうになったわ」
サクラ「ユウタ!名演技でしたよ!」
アール「演技…だと!?でも優お前…部屋から出てるじゃないか」
確かにユウタは広いこの部屋から確実に出ていて、部屋を出て死んでいったマサやレオナと同じ死亡条件に達している。
はずだったが。
ユウタ「たしかに、俺は今見ての通り部屋から確実に出ている。
でもピンピンしてるぜ。
どうしてだと思う?人狼くん」
アール「なめやがって…お前が主催者だからだろ」
ユウタ「はぁ?俺をこんな最悪的な事を平気でしている主催者と一緒にすんなよ」
サクラ「全ては私たち3人の協力と信頼から導いたら答えなんだよ」
カズ「疑うこの人狼ゲームをさいごは信じるゲームにしたんだ」
ユウタ「わかったろアール。
俺達3人は繋がっている。そして人狼をアールと確定させるために俺以外の3人を嘘のグルにしたんだ」
アール「っく…まんまと騙されたわけか」
ユウタ「もうひとつあることをしたんだけどわかるか?それによって俺はこうして部屋を出ても生きていられる」
アール「意味わかんねぇよ。部屋から出たら問答無用で死ぬはずだ。
話し合いの1時間の中で部屋を出ている。まだ9:54だ。どうし…て…」
ユウタ「…その1時間だ。でもその1時間がどの1時間なのか…」
アール「は……ああそうか…わかったよ…時計だな」
ユウタ「ああ、そうだ。この建物内の全ての時計をほぼきっかり一時間早まらせている。
つまり今の本当の時間は8:54というわけだ話し合いが始まっていないからまだ部屋を出ていても大丈夫だぞ?」
アール「そんなまさか…
!そうだとして…お前怖くなかったのか?もしかしたら死ぬかも知れなかったんだぞ」
ユウタ「ああ、ルール上の時間とこの館の時計が一致しているか、だな」
アール「そうだ!もしかしたらこの広間の時計が全てかもしれないじゃないか!」
ユウタ「それはないよ。まず時計を操作して時間が操れたらこのゲーム意味なくなっちゃうしね。
それに1度確かめたんだ。
レオナさんが殺されたあの日」
アール「ああ…あの日か。お前が話し合いに遅れてきた…」
ユウタ「そう。あの遅刻はわざとだ。広間の時計を皆が見ていないときに2分だけ早まらせた。
俺が広間に入った時間は別の時計で8:59だったんだ。
そして死ななかった」
アール「くそ…まんまと嵌められたということか…」
ユウタ「最後の最後で油断したのがお前の敗因だ」
アールは刺された箇所を手で抑えながら更に大量に吐血しはじめた。
ユウタ「くるしそうだからもう逝かしてやるな。
最後に伝えたいことあったら言ってくれ」
弱々しく、しかしただどこか強い力をいだいてアールは呟いた。
アール「完敗…だ…後はお前ら…さいご…まで…油断…するなよ…」
アールの強い執念はどこに対するものなのか。
アールだってこんなゲームやりたかったわけじゃないはずだ。
ユウタ「ごめんな…」
もう一度アールの腹部にナイフが貫通した時、既にアールの意識はなかった。




