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人狼   作者: 華蝶風雪
第五章 人狼四日目
19/23

最後の審判



四日目午後9時。


もともと10人いたとは思えないほど部屋が広く感じられた。


今はもう4つしか椅子は並んでいない。

無意味に散っていった命。


カズ「この投票で全てが…決まるんだよな」


アール「村人を殺せば人狼が深夜もう1人村人を殺して同じ数になるから人狼の勝利、

人狼を殺せば村人の勝利だから、そういうことだな」


カズ「もうほんと…疲れた」


ユウタ「ああ、早く終わらせよう」


サクラ「でも最後の最後で…何も情報が入ってないですよね…?」


ユウタ「ああ…」


カズ「ランダムに投票…するか?」


アール「お前それ好きだな」


カズ「だってそれが一番平等?」


ユウタ「この際もう仕方ない…人狼だって生きたいんだ。

それに争いはもう嫌だし、ここで誰が選ばれても文句はなしだ…」


サクラ「そんな…ユウタ…」


ユウタ「なんだ…?」


サクラ「生きて…家に帰れるんだよね?」


ユウタ「ああ…きっと…」


カズ「それじゃぁ。せーの、で指をさそう。誰が選ばれても文句なしな」


アール「わかった」


サクラ「はい…」


ユウタ「…やろう」


カズ「…せーの」


最悪なゲームの終止符が遂にうたれる。

この投票こそが全ての終わりで、犯人探しの始まりとなるはずだ。


一回目投票


ユウタ→アール


カズ→ユウタ


サクラ→ユウタ


アール→ユウタ


ユウタ「……え?」


カズ「ユウタ3票、アールさん1票だな…」


ユウタ「おい!…お、お前ら話が違うじゃないか!」


カズ「ああ。ユウタのそのやりかた俺嫌だったからさ。

アールさんを味方につけて確信に生き延びるためだよ」


ユウタ「は!?俺についたほうが

確実に生き延びられるじゃん!」


カズ「もう…決まったことだ。ユウタお前が村人か人狼かわからないけど、

勝手にアールさんをみんなで投票、なんてコソコソやるべきじゃない」


サクラ「ユウタ…その提案聞いたときちょっとショックだった…」


アール「それがお前の作戦と聞いたとき、めちゃくちゃショックだったよ」


アール「ユウタ…みんなのために死んでくれ…」


ユウタ「く、くそぉ!」


俺は負けた…。


皆で一番怪しいアールに投票しよう、なんて言った事で皆の支持を失ったのか…


ユウタは悔しさを胸に椅子を蹴飛ばして出口に走った。


サクラ「ユウタ…」


廊下に飛び出た瞬間、胸が急に熱くなり、息ができなくなった。


ユウタが動かなくなったのはすぐだった。









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