最後の審判
四日目午後9時。
もともと10人いたとは思えないほど部屋が広く感じられた。
今はもう4つしか椅子は並んでいない。
無意味に散っていった命。
カズ「この投票で全てが…決まるんだよな」
アール「村人を殺せば人狼が深夜もう1人村人を殺して同じ数になるから人狼の勝利、
人狼を殺せば村人の勝利だから、そういうことだな」
カズ「もうほんと…疲れた」
ユウタ「ああ、早く終わらせよう」
サクラ「でも最後の最後で…何も情報が入ってないですよね…?」
ユウタ「ああ…」
カズ「ランダムに投票…するか?」
アール「お前それ好きだな」
カズ「だってそれが一番平等?」
ユウタ「この際もう仕方ない…人狼だって生きたいんだ。
それに争いはもう嫌だし、ここで誰が選ばれても文句はなしだ…」
サクラ「そんな…ユウタ…」
ユウタ「なんだ…?」
サクラ「生きて…家に帰れるんだよね?」
ユウタ「ああ…きっと…」
カズ「それじゃぁ。せーの、で指をさそう。誰が選ばれても文句なしな」
アール「わかった」
サクラ「はい…」
ユウタ「…やろう」
カズ「…せーの」
最悪なゲームの終止符が遂にうたれる。
この投票こそが全ての終わりで、犯人探しの始まりとなるはずだ。
一回目投票
ユウタ→アール
カズ→ユウタ
サクラ→ユウタ
アール→ユウタ
ユウタ「……え?」
カズ「ユウタ3票、アールさん1票だな…」
ユウタ「おい!…お、お前ら話が違うじゃないか!」
カズ「ああ。ユウタのそのやりかた俺嫌だったからさ。
アールさんを味方につけて確信に生き延びるためだよ」
ユウタ「は!?俺についたほうが
確実に生き延びられるじゃん!」
カズ「もう…決まったことだ。ユウタお前が村人か人狼かわからないけど、
勝手にアールさんをみんなで投票、なんてコソコソやるべきじゃない」
サクラ「ユウタ…その提案聞いたときちょっとショックだった…」
アール「それがお前の作戦と聞いたとき、めちゃくちゃショックだったよ」
アール「ユウタ…みんなのために死んでくれ…」
ユウタ「く、くそぉ!」
俺は負けた…。
皆で一番怪しいアールに投票しよう、なんて言った事で皆の支持を失ったのか…
ユウタは悔しさを胸に椅子を蹴飛ばして出口に走った。
サクラ「ユウタ…」
廊下に飛び出た瞬間、胸が急に熱くなり、息ができなくなった。
ユウタが動かなくなったのはすぐだった。




