表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冬馬君の日常  作者: だかずお
5/16

夜の布団の上での語り合い




『夜の布団の上での語り合い』



電気を消し 部屋の中は話で盛り上がっている。


「普段二人は学校終わったらどう過ごしてるの?」冬馬君が尋ねた


「俺は友達と遊んだり 家にいたり そんな感じ」と大喜


「山ごもり」 とポツリ多網


「えっ?山ごもり?」


「近所の山に基地つくって暮らしてる」


「凄い 面白そうだ 誰と?」


「きみ子」


冬馬君は一瞬想像する


もし自分が山に入っていきなり二人と遭遇したら、野生のチンパンジー発見と、驚くだろうと。


「しかし、それは是非参加したい」冬馬君は言った


「俺も」


多網はこくりと頷く


「多網達は山で何してるの?」と大喜


禁断の質問に触れた気がしたが。


多網は、ハッとした様な顔を浮かべ、一瞬固まる。

何? 一体何してるのか?二人は興味津々だ。

しかし、黙ってポカンとした顔を浮かべる多網は自分でも、考えて分からない様だった。


あんたは猿かと、ツッコミたくなる表情である。


「まっ、とりあえず今度誘ってよ」


多網はニコッとした。


すると突然、多網が

「夏、話てた あの女の子達とはどう?」と尋ねてくる


「それが、夏以来会ってないんだよ」


「気になるな どうしてるんだろう」


「誘えば」と一言、多網


「そうだね、また近々声かけてみようよ大喜」


「そうだね そうしよう」


多網は話を聴き満足気に頷いている。


その時だった、部屋の隅でカタッという音が


大喜が「何、今の音、お化け?」


そんな事を言ったもんだから、三人共怖がり始める。


多網は突然「別に恐くないよ」と強がっている。

だが掛け布団を顔の下ギリギリまで、不自然に掛けているではないか。


「何か倒れた音じゃない?」冬馬君が言う。


「せっかくだ、多網なんか怖い話してよ」と大喜が


多網は話始めた「前に 部屋で寝てた」


「おっ、何か楽しくなってきたね、冬の夜の怖い話」と冬馬君が言った。


二人は怖いので、一つの布団で身体を寄せて話を聴いている。


「その時 身体が動かなくなった」


「かっ、金縛り?」


「急に部屋のドア 開いた」


「そして 白い服を着た 髪の長い老婆が」


二人は布団をかぶり 息を呑む


「どんどん近づいてくる」


「顔を覗きこんできた」


「ひいーっ」


「良くみたら遊びに来てた 婆ちゃん」


「なぁんだ」


「あの ばあちゃんの顔は ビックリした」


「えっ、じゃあ身体が動かなかったのは?」冬馬君が尋ねた


「あっ、それは見たことない手首が身体を抑えてた」


ぎゃー 、ってか怖いのそっちだろ


何で婆さんオチになってるんだ


二人は多網の感覚に笑った



三人で居ると、良くこうして笑う


とても楽しい時間だ


すると外からザーッと雨の音



「結構強いね」


「冬馬は清香のどういうところが好きなの?」


突然の大喜の質問にドキッとする冬馬君


「うーん 顔に、性格に、全部」

冬馬君は清香の話が出来るだけで嬉しくなってしまう。


「大喜は、アミのどんなところ?」


「うーん雰囲気かな」


「多網は?きみ子の何処が?」


「屁の臭い」



えっ?



「ジョーク」ニタッと笑った


多網が言うと冗談に聞こえないから怖い


ザーッ 雨は強かった


「何だか、雨の音と、夜中語るのも良いね」冬馬君は雨の音に耳をすましている。


時刻は2時を過ぎていた


だんだん話声が静まり


大喜は寝て


冬馬君も半分夢の中に


多網の目は、パッチリ見開いていた


多網は突然、自分のけつを寝ている大喜の顔の上にそして


「ブウーっ」


こりゃまた強烈だった


気づいた、冬馬君は大爆笑



そしてもう一発


「プシューっ」

ガスがきれたような音


ただ臭いは強烈だった


「うわっ」大喜は跳ね起きる


だが、大喜が勢いよく跳ね起きたものだから、大喜の頭はまさかの多網の股間に直撃



「ぐわあぁぁぁああー」


聞いた事もない多網の雄叫びだった


冬馬君は笑い転げ


大喜は何が、何だか


多網は痛さからか、タコの様に足をクネクネして動いていた。


「こらーっ寝なさい」

隣の部屋から正子の声が


三人は急いで布団に入り静かになる


気付いたら雨はやんでいて、三人の賑やかな夜はこうして幕をとじた。



冬馬君は心地よく、暖かい夢の中に入っていった




つづく


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ