楽しい週末
『楽しい週末』
冬馬君はこれから学校というのに、ウキウキしていた。
珍しい事もあるもんだ。
それはどうしてかと言うと?
今日は金曜日
今日、学校に行けば二連休。土曜日 日曜と休みだからだったのだ。
こういう日は、学校に行く時も嬉しい気分
「行って来まーす」
やった今日行けば二連休
授業中も終わる頃を思っては、ウキウキしていた。
一時間目 二時間目
終わる度に近づく休みが、嬉しかった。
気分は高まる。
授業中も、今日の夜は、何をしようかなど色々考えている
給食を食べ終え
最後の授業を受けてる時に、冬馬君はいい事を思いつく
今日、大喜や多網にうちに泊まりに来るか誘ってみよう
みんな泊まりに来たら最高だな。
気分はウキウキだ
今日の帰りも、慎司と山ちゃんと帰った。
「二人は週末何かするの?」冬馬君が二人に聞く
「僕は、家でノンビリ過ごすよ」山ちゃんが言った。
「家族で、何処かに行くかも知れない 冬馬は?」と慎司
「うーん今日、大喜と多網に泊まりに来るか聞いてみようかと思って」
「良いね 二人に会ったらよろしく言っといてよ」懐かしそうな慎司
「いつも話てる親戚の人達か、僕も会ってみたいな」と山ちゃんも笑った。
「そうだね今度、皆んなで遊ぼう」
すると前から久しぶりに犬おじさんが歩いてきた。
冬馬君は声をかける
「こんにちは 久しぶりです」
犬おじさんは驚いた様子で
「ああ君か こんにちは」
話かけられた事が嬉しかったようでニッコリしていた。
あの夏以来、犬おじさんはあまり子供達に怖がられなくなっていた。優しい人柄が子供達に理解されたようだ。
冬馬君は、その事がとても嬉しかった。
無表情だったおじいさんが、今ではニッコリ笑って、前よりイキイキしている、変な噂だけで人を判断しなくてよかった。
みんなと別れて家に帰ってさっそく、二人に電話する事に。
その前に、正子に聞こう
「今日、大喜達泊まりに来るように誘ってもいい?」
「久しぶりね いいわよ」
やったー
まずは大喜から電話するか
「もしもし あっ 大喜 久しぶり」
「久しぶり冬馬 夏休み以来だね 元気?」
「うん、今日良かったらうちに泊まりに来ない?久しぶりに多網も呼ぼうと思うんだけど」
「そいつはニ連休だし 是非、これから支度して行くよ」
「じゃまた」 ガチャ
やったー冬馬君は嬉しくて飛び跳ねる
次は多網だ。
「もしもし あっ多網のママ 多網いる? まだ学校から帰ってないか 、今日もしよかったらうちに泊まりに来るか聞いてみて」
「うん、よろしくじゃあ」
多網も来たら良いなぁ しかし、久しぶりの再会ワクワクするなぁ
冬馬君はご機嫌だ。この休みの前の嬉しさに加えて、大喜も泊まりに来る、まさに最高の気分だった。
久しぶりに、夜遅くまで起きて語り合える そうだ清香達の話も出来る。
今から大喜が来るのを心待ちにしていた。
何して遊ぼうかな
その時正子が「今日パパ18時には帰れるみたいだから、近くのお風呂でも入りに行こうかって話てるんだけど、みんなで行こうか?」
やった行く
休みの始まる金曜日の夕方
そして、お風呂、うん最高だ
だいたい休日は一人で過ごしていたから、大喜が来るのが嬉しかった。
冬馬君は大喜が来るまで片付けをする事に。
こないだまで、蝉が鳴いてたのが信じられないくらい もう涼しくなってきていた。
冬馬君は季節で夏が一番好きだったけど、温泉などに浸かると気持ち良い冬も好きだった。
あったかい季節もあり、寒い季節もある、どちらも楽しめるんだなぁと思った。
学校だって、僕みたいに嫌ってる人もいれば楽しんでる人もいる。
自分の気持ち次第で変わるんだなと、ふと感じた。
今日も一日がこんなに気持ち良くワクワク感じられる、毎日この気持ちでいれたら良いなぁとも思った。
でも、考えたらやだなと思う時があるおかげで、良いなぁと思う時が分かる
夏と冬
寒い時があるから暖かさも分かる、何だかおもしろいと冬馬君は幼心に、そんな風に感じたりした。
何にせよ、これからニ連休で大喜が泊まりに来る それは嬉しかった。
ピンポン
あっ、きっと大喜だ
下から声が聴こえる
「おじゃまします」
二階にあがってくる足音が聞こえる、ああ、この瞬間たまらない。
これから一緒に休みを過ごせる、この始まり!!
「久しぶり冬馬」
「久しぶり大喜」
二人はニッコリご機嫌
「多網は来るの?」
「今、連絡待ち」
「それから今日夜、温泉行くよ」
やったー大喜も飛び跳ねた。
しかも、これからニ連休
最高ーっ、大ご機嫌である。
二人で部屋の中を飛んで、ぐるぐる走り回った
「ここ来るの夏休みぶりだ。ここ来ると夏休み思い出すね、今日は楽しむぞー」大喜も嬉しそう
その時、電話の音が
「多網だ」
二人は顔を見合わせた。
下から正子が、多網もこれから来るって
「やったー やったー」
賑やかな週末が始まった
つづく




