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冬馬君の日常  作者: だかずお
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凄まじい咆哮



『凄まじい咆哮』



「ただいまー」


学校が終わって家に帰ってきたこの瞬間の気持ち、嬉しくてニヤけてしまう、冬馬君は家に帰ってくるこの瞬間が大好きだ


二階にあがり荷物を置いてから、お菓子を食べて漫画を読んでいる。


冬馬君のくつろぎリラックスタイムだ


いやーこの瞬間がなんともたまらない、冬馬君はウキウキしていた。


ポテトチップを食べ、漫画を読みご機嫌である


すると プルルルルル


電話がなっている


電話に出ると、慎司からだった

「今日遊べる?」


冬馬君は少し考えた、あいてるけど、家でくつろぎたいし、どうしよう?


でもせっかくだし、遊ぶことにした。


二人は公園で待ち合わせ、お菓子を買って、食べながらいろいろ散歩することにした。


散歩をしていると、こないだ引っ越してきた、クラスメイトの三郎君に会った。

「冬馬君、慎司やあ!!」


「三郎君何処行くの?一緒に遊ぶ?」


三郎君は嬉しそうな表情を浮かべ

「うん遊ぼう」


三人はみんなで、買ったお菓子を食べながら歩いている

「その公園で休まない」と冬馬君


ベンチに座って、いろいろ話している


「三郎君は学校慣れた?」


「僕昔から学校とか嫌いなんだ、でもみんなと友達になれて良かったよ」


冬馬君は三郎君はぼくに似ているなと思った



その時だった



「おい、お前らそこ俺たちの場所だよ」二人の男の声


「お前ら小学生だろ、俺たちは中学一年なんだよ、そこどけよ」


まったく意味の分からない言い分である


しかし、冬馬君達から見て彼らは、とっても大きく見え、こわかった。



三郎君はすぐに「行こう」と言った。


冬馬君は悔しかったが、喧嘩もしたくなかったし立ち上がった 何とも気分は悪い。


すると慎司が小声で、「なんだよこいつ」とつぶやいた。


「えっ?今なんか言ったか?」


「言ってないです」


「何だか生意気なやつらだな」


「おい三人そこに立ってろ」


三郎君の足はガクガク震えていて、冬馬君もどうしようと戸惑っている、慎司はふてくされてる表情だ。


「お前達、この辺のガキか?」


「そうです」冬馬君は答えたが、声は少し震えていた。


「おい右のやつ 名前何ていうんだ?」


三郎君はあまりの恐怖に泣き出してしまう


中学生の二人はそれを見て笑っている「だらしねえやつ」


冬馬君は怒っていた、だけど言葉が出ない ふがいない自分にも悔しかった。


その時だった




「冬馬君じゃん」




あっ、その声は?



見るとそこにいるのは



きみ子だった



きみ子は、みんな友達だと思っているよう、近づいてくる


そして最初の一言はこうだった


「わたし、こないだ公園でうんち踏んでたように見えたじゃん、あれ、でもうんちじゃないからね」


正直、今はほんとにどうでもいい弁解だった


すると中学生の男が

「なんだこのブスあっちいってろよ」


スキュン


得体の知れない効果音のようなものが流れた



なっなんだ?幻聴なんだろうか


「なんじゃ、われ頭どかちわるぞもういっぺん言ってみろやー」

目は見開き凄まじい形相だった


凄い威圧感 これはまさに小学校六年生から発せられた言葉とは思えない異様な迫力だった 、三十路を過ぎた根気のあるヤンキーである、いやむしろ髪の毛が逆立っていたらスーパーサイヤ人である。


中学生の男達は「すいませんでした」瞬く間に走って逃げていってしまった


冬馬君達はホッと胸をなでおろす。


そして、きみ子は冬馬君に振り向き言った


「ほんとにこないだのはうんちじゃないからね、うんちに見えた泥 だからね、じゃまた」何事もないようにきみ子は去って行ってしまった。


わたしはうんこ踏んだとしかきこえないような話だったのは間違いなかったのだが。


しかし、凄まじい迫力に三人はポカンとあいた口が塞がらなかった


慎司が「今の誰?」


「親戚の多網の好きな人・・・」


「ああ・・・・」多網ときいて納得したようだった


「僕、今まで見た人でいちばんおそろしい人だったよあのお方は」と三郎君なぜか、お方と表現し きみ子を崇拝していた。


おそろしい迫力 恐るべしきみ子。


あっ?二人は驚いてしまう。


何故なら三郎君はきみ子のあまりの凄まじい咆哮に、失禁していたからだ。


確かに僕も誰だか分からなきゃああなるなと冬馬君は思った。二人は気づかぬ振りをしてあげた。


みんなはその日はバイバイして家に帰っていく


その後、冬馬君は部屋でいろいろ考えていた。


頭の中ではさっきの状況をシュミレーションしては自分が勇敢に言い返してる姿を何度も思った。


ハァ、今ならいくらでも言えるのになぁ、と不甲斐なく感じる自分にため息をつく。


でも、まあいっかと思える自分もいた。

次なにかあったら、ハッキリ言えるようになりたいと思えた事が良かった。


それにしても、やっぱきみ子は常人じゃないなぁと、さっきの表情を思い返しては笑ってしまった。


しかもあんなに人がいるのに、なぜか冬馬君に自分がうんこ踏んでないと説明するきみ子はやっぱり、おもしろかった


嫌な気分も味わったけど、良い経験になったと思うことにした冬馬君であった。


冬馬君は走って部屋から出て下に降りて行く



「お腹空いた」



下からは正子のつくる夕飯の良い香りがしている



苦いような、笑える体験であった。






つづく


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