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冬馬君の日常  作者: だかずお
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転校生来たる




『転校生来たる』



朝、起きる時間。この時間は冬馬君にとって嫌な時だった。


ただでさえ眠いのに、更に寒くて布団から出たくない時期


そして嫌いな学校


みんなが泊まりに来た日の朝とは全く違う朝である。


下から正子が呼んでいる

「遅刻するわよ はやく起きなさい」


返事はするのだけど、全く布団から出たくない、何ともイライラする朝の始まりだった。


後五分だけと、目をつぶる瞬間が何とも心地良い

この五分よ、後一時間に変わってくれ、こんな魔法が使えたら良いのに。


最近は寒いので布団の中に、今日着る服をいれて暖めて、布団の中で着替えている。


これだと着る服が少しあったかくて、着替えやすいのだった



ハァ、今日も学校早く終わらないかな



冬馬君は毎朝こんな調子である。


お腹も全く減っていないのだが、無理に朝食を口に詰め込んで、済ませ 学校に向かった。



「行って来ます」



うぅー寒い 何とも寒い季節だ


こんな日はコタツでもあたり 家で好きな事して一日過ごしたいなと思っていた 。

やはり学校行く時の道のりは気が重い。

多網の家に泊りに行く時とは気分が違う。


歩いてると目の前に慎司が

「おーい 慎司」


「おっ 冬馬 おはよう」


「こないだは大喜や多網は泊まりに来たの?」


冬馬君はこないだの週末の楽しかった思い出を慎司に沢山話した。

温泉入ったり、多網の家に泊まったり、ボーリングや、雷事件の事

こういう話をしてる時はこれから学校だという、ちょっと重たい気分が吹き飛んでいた。


「へぇーおもしろそうだなぁ その多網のおじさんはうけるね」慎司も笑っていた。


学校の友達でこういう思い出を共有出来る人が居るのは、冬馬君にとって凄く嬉しく、ありがたい事であった。


しかも、慎司は、大喜も多網の事も知っている。

それが何だか嬉しい。


楽しいひと時だったからか、あっというまに学校に着いた気がした



慎司とはクラスが違うので別れ

「じゃあまた」


それぞれの教室に入り、暫くして先生がクラスに入って来た



そして


「今日はみんなにお知らせがあります」


クラス内はざわついていた


「このクラスに新しい転校生がいます」


えーっ 教室は賑やかになる


「自己紹介をお願いします」


「高井 三郎です よろしくお願いします」 彼は少しポッチャリしてて、顔はデカく、どこか抜けてる様な感じだった。


冬馬君は、その転校生が来て何故だか少し安心した。自分でもどうして安心したのかは分からなかったが、クラス中の視線が転校生と言うことでそっちに向くからか?何処か似てる所があったからか?

理由はあまり考えなかった


一時間目が終わり休み時間、彼は一人で座っている


冬馬君は話しかけようとしたが、クラスの誰も話かけていなかったので、何だか気まずくてやめてしまった。


休み時間 後ろに人の気配を感じると、そこには高井三郎が立っていた。


山ちゃんはそれを見て苦笑いしている



勇気を出し、冬馬君はしゃべりかける事に


「はじめまして、僕冬馬 よろしく」


「僕三郎 三郎君って呼んでいいよ」


その発言に、あははと冬馬君は苦笑い


「僕は山よろしく」


三人はとりあえず一緒に過ごしていた。


次の時間は体育


体育では今サッカーをやっている


三郎君は冬馬君の近くに寄ってきて「僕運動苦手なんだ」


「僕もあんま得意じゃないよ」


三人は同じチームになる


「よし頑張ろう」冬馬君は、三郎君と山ちゃんに言った。なんだか友達が出来て嬉しい気分、よーし頑張るぞ。


ピーッ笛がなり試合開始


三郎君は何だかテンパっているではないか。

「あっちにいれるんだよね?」


「当たり前だろ!」他のチームメイトに言われている


すると、冬馬君のところにボールがきて冬馬君は囲まれた。


となりにいたチームメイトのキャプテンにパスを出したが、キャプテンも相手にマークされている。

キャプテンの前、見ると三郎君が、三郎君はノーマークだった


「三郎パス」


三郎君は転がってきたボールに興奮


「はっ、はい」 いきなり全力でボールを訳も分からず蹴り上げる


ボールはもちろん目の前のキャプテンの顔面に直撃


相手チームの人達は大笑い


「いてーな何してんだよ、つかえねーな」


「ごめん」


三郎君は落ち込んでいて、試合は3対0で負けた。


冬馬君は三郎君に、気にしない気にしないとフォローする様に言っていた。三郎君は、そう言われ、嬉しそうに微笑んだ


その日の学校が終わり


「一緒に帰らないかい」三郎君が誘ってきた


「うん、もちろん」


帰りは慎司も加わり四人で帰る事に。

いつもの帰る友達メンバーが、一人増えて冬馬君は嬉しかった。


少し明日の学校が面白くなった気がした。


すると、突然三郎君が友達が出来て嬉しかったのか指をパチパチならしスキップを踏んでいる


正直、少し不気味な光景ではあったが冬馬君もそれを見て何だか嬉しかった。


新しい友達 一体どんな学校生活になるのやら




つづく


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