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第一話『明星学園へ』

週一更新と言っておきながら、半月以上更新出来ませんでした。ですが、内容には力をいれていますので、是非とも一読下さい。第一話ということで、説明が多くなっていますが、ご了承下さい。

ワシントン・ジェノサイドから十五年。

カリスマ能力者の人数は、世界人口の二割程まで増加していた。

それだけの数になると、カリスマ能力者を正しく扱う方法を教える必要がある。そして、カリスマ能力者養成学園は、各国に一つないし、二つ程が存在する。

そしてそこに入る条件は、普通の高校と同じく試験を受けて合格することである。つまり、カリスマ能力者以外でも入学出来るのだ。それはなぜか?

カリスマ能力というのは、生まれつき、つまり先天的に持ち合わせている人間がいない。つまり後天的に身につく能力なのだ。

そして能力者と一緒にいることにより、能力者でない普通の人間も能力に目覚めることがある。もし能力が身につかなくても、カリスマ能力が重きをしめるこの時代において、カリスマ能力者養成学園卒業という経歴はプラスになることはあっても、マイナスになることはない。故に、能力者である者もない者も、数多くの者達が養成学園の試験を受けるのだ。

受験年齢は定められていないので、まだ十にも満たない子供が入学するというケースもあったりする。

そして日本にある能力者養成学園は二つ。

その一つがここ【明星学園】だ。

今年度の入学式は先月終わったが、新入生達は、やはり、まだどこか初々しい。そして、明星学園に向かう専用バスの中に、そんな初々しい新入生がいた。


「もう三週間経ちますのね。お二人はもう学園に慣れまして?」


おっとりした雰囲気と美しい金色の髪を持つ少女――マニエティカ、通称マニィは、自分の隣に座る少女と前に立つ少年にたずねる。


「私はあんまり。中学の時とは違って、普通の学校じゃないからちょっと戸惑ってる」


金髪の少女の隣に座る、ボーイッシュな感じの赤髪の少女――サクヤが答える。


「やっぱりカリスマ能力者養成学園って言うだけあって、能力関係の授業が多いでしょ?私、あんまり頭良くないから、もうちんぷんかんぷん」


サクヤが口をアヒルのように尖らせ言う。

それを見ていた二人の前に立つ少年は、深い溜息を吐きながら口を開く。


「サクヤはまだマシじゃないか。僕なんか能力者じゃないから、やっぱり肩身が狭いよ」


そう。この少年――ラルクは、カリスマ能力者ではない。前述したような試験を受けて明星学園に合格したのだ。

しかし、カリスマ能力者でない人間が明星学園に入るには、カリスマ能力者が受ける試験より遥かに難しい試験を受ける必要がある。しかもカリスマ能力者なら、その能力に応じた試験を受けることも出来るが、一般受験者にはそれがない。故に、明星学園でカリスマ能力者ではない人間は、全体の一割にも満たないのだ。


「あら?ラルクさんは、そんなことを気になされているのですか?」


「そりゃ気にするよ。マニィとサクヤにはわからないかも知れないけど、能力者の養成学園にいるのに、能力者じゃないのはかなり居心地悪いよ」


なら何故明星学園に入ったのか?

そんなことは、マニィもサクヤも口にしない。

ラルク、マニィ、サクヤの三人は幼なじみだ。小さい頃から三人で遊んで来たし、学校だってずっと一緒だった。

そんな三人も、中学の卒業が目前になって事情が変わって来た。

マニィとサクヤはカリスマ能力者だ。中学までは一緒にいることも出来たが、高校からは一緒にいることが出来ない。

カリスマ能力者は、中学を卒業すると養成学園に入ることを義務付けられる。

普通の高校には入れないのだ。

二人と離れたくなかったラルクは死ぬ気で勉強した。お世辞にも頭が良いとは言えないラルクだったが、何とかかんとか補欠合格で滑り込むことに成功。

今に至る。


「まぁまぁ。も少ししたら慣れるかもだし、そんな陰気オーラ全開にしなくてもいいじゃない。それ、ラルクの悪い癖だよ!」


「そうですね。ラルクさんは、少し悲観的になりすぎる癖がありますので、これを機に改善してみては?」


「…善処するよ」


サクヤとマニィの二人にたしなめられ、ラルクはがっくりと肩を落とした。

バスのスピードが徐々に落ちていく。窓から進行方向を見れば、バスのターミナルが見えてきた。

そして、明星学園での一日が始まる。

どうでしたか?感想ご指摘がありましたら、どしどし言って下さい。

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