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序幕
誰しもが人に言えない事がある
誰しもが一回は汚れた仕事を負う
そんな世界に真実はあるのか
「誰が真実はあると言った」
「そして赦される事などない」
春風が街中を吹き抜け、夜空に舞い上がる
鷹が羽を散らしながら虚空を舞い、鳴き声が響く
一人の男が鷹の羽を手に握りしめ、空を見上げる
男は白いローブを着ていた
男は歩き出す
ローブに風が舞う
男は光と喧騒が舞う大通りを避け、裏路地に進んでいった。
路地裏を進んでいくと声を後ろからかけられた。
「誰だ!」と声が路地裏に響く
男は振り返り声の主を見た。
スーツを着た男が二人、懐中電灯と警棒をもってこちらの様子を見ていた
「アサシンか?」とスーツの男が言い放った
“アサシン”と言う言葉にローブの男は身構えた
スーツの二人組が警棒を握りしめた
警棒に蒼白い電撃がはしる
ローブの男が顔をしかめる
スーツの男が飛びかかる
ローブの男が手を振り上げる
瞬間―――
鮮血がほとばしり、壁が真っ赤に染まった………