裏話:姫子さんと旦那さん
妹のないらからはダメ男と酷評されていた姫子の夫。
しかし、姫子にとってはいい旦那さんだったのである。
上京した高校時代に起きた事件により、【性〇依存症】を発症していたあの男。
女性に近づくと衝動を抑えるために苦痛を感じる症状に悩んでいたが、女を感じない程に不〇工な姫子が相手なら落ち着くことができた。
厄介な依存症を抱えていることを除けば、人当たりも良く優秀なイケメン。容姿により男に選ばれなかった姫子にとって、そんな男から唯一の相手として選ばれた事は幸せだった。
双方にとって幸せな結婚だったのである。
共働きであったが、語学堪能で時間単価の高い仕事が選べる姫子の方が収入は高かった。
男もフルタイムで働いてはいたが、前職でやらかした不倫の慰謝料や損害賠償の負債を抱えていたので、生活費は主に姫子が負担した。
それに加えて、依存症の衝動を抑えるために通っていた夜の店の費用も不足した時は姫子が補填した。
傍から見れば歪な夫婦関係だったが、それで二人は幸せだったのだ。
姫子との生活の中で、男の依存症も徐々に改善。
夜の店の頻度も減っていきすべては順調に思えたが、姫子の妊娠により状況は一変した。
【妊娠は病気じゃない】という言葉は、どれほどの人が正しく解釈しているだろうか。
個別に状況は大きく変わるが、妊娠は病気よりも母体に多大な負担をかける。
姫子の妊娠は重かった。
気力体力共に高く、共働きと家事全負担を余裕でこなしていた姫子であったが、妊娠には勝てなかった。職場で倒れて自由に動けなくなった姫子を見て、男は自分が守らなければとは思った。
しかし、優しかった父を捨ててホストの元へ逃げた母の記憶が男の行動を縛った。
女は優しくしたら裏切るという経験則。
唯一無二の姫子に逃げられたくないという恐怖。
数々の呪縛により、男は苦しむ姫子に優しく接する事ができなかった。
姫子はそれを察していたからこそ苦しんだ。
男に悪気はない。元凶は男の持つ根深い女性恐怖症。
それさえ克服できれば温かい家庭を築けると、姫子は耐えた。
しかし、その願いは叶うことなく日本は滅亡。
男はサメのエサになり、姫子は神の母となった。
男の性〇依存症と女性恐怖症の元凶が自分の母親であり、その結果産まれたのが妹のないらちゃんだった事実を姫子が知ることは無かった。
●オマケ解説●
ワケアリな家庭の出身ではあるけど、あの事件さえなければ男は立派な【九州男児】になっていたはず……。
ひどい。ひどい。




