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朝起きたら女の子になっていた件〜性別を超えた絆の物語〜  作者: 柴咲心桜
第1部 変化の兆し編

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28/70

再会と、そしてパーティー

「かな!パーティーに誘ってくれてありがとう!」


四条家の広い中庭に設えられたパーティー会場。夜風に揺れるランタンの光が、シャンパングラスを照らして煌めいている。


「私が、みうと一緒に来たかったから誘ったんだよ!」


私は、みうと姉のかなこと三人で、こうして四条家のパーティーに参加している。


「そう言ってもらえて嬉しいな!」


みうが笑顔を浮かべ、パーティー会場を見回す。ドレス姿の大人たちがシャンパンを片手に談笑し、クラシックが控えめに流れている。まるで、映画の中にいるような非日常。


でも、この華やかなパーティーが始まるきっかけは――二日前の、ささやかな朝の会話だった。


***


「姉さん、おはよう」


「おはよう! かな」


キッチンに立つ姉の姿を見るのは、何日ぶりだろう。あれからずっと、夢なんじゃないかって思うくらい信じられない時間だった。


「姉さん、よく眠れた?」


「えぇ、よく眠れたわよ!」


「よかった!」


「……なに? 心配してくれたの?」


「心配なんてしてないよ!」


「もう、かなは素直じゃないんだから」


「行ってきます!」


「行ってらっしゃい!」


玄関を出て、私は自分の胸に問いかける。


――私は、今、ちゃんと前を向いているかな。


***


「おはよう。かな」


教室のドアに手をかけた瞬間、後ろから呼び止められた。振り返ると、そこには無表情――だけどどこか機嫌よさそうな、四宮天の姿があった。


「天? おはよう。……なにか用?」


「用がなきゃ話しかけちゃいけないの?」


「そういうわけじゃないけど……」


「ふふ、まぁいいわ。今週の土曜日。二日後ね。四条家でパーティーが開かれるの。あなたも来なさい」


「えっ、パーティー?」


天はそう言って、招待状を私に差し出した。金の縁取りがある立派な封筒で、中にはしっかりとした招待状が入っていた。


「あと二人くらいなら、友達なり家族なり連れてきてもいいそうよ」


「……天も行くの?」


「当たり前でしょ」


「……良かった。もし来ないなら一緒に行こうかと思ってた」


「その気持ちだけ、もらっておくわ。ありがとう」


「気にしないで」


「じゃあ、パーティー当日に会いましょう」


「うん!」


別れたあと、私はすぐにスマホを取り出してみうに連絡を取った。


――今度の土曜日、パーティーあるんだけど一緒に行かない?


そして、ついでに放課後屋上で会いたいとメッセージも送った。返事が来たのは、昼休みが終わる直前だった。


《わかった》


その一言が、やけにうれしかった。


***


ホームルームが終わると同時に、私は教室を飛び出した。屋上への階段を駆け上がり、ドアを開けると、すでにみうが立っていた。


「待たせてごめんね!」


「私も今来たところ。それで、話ってなに?」


「パーティーがあるの。一緒に行かない?」


「……今週の土曜日に、四条家で?」


「うん。天から招待されたんだけど、二人までなら一緒に行っていいって言われて……だめかな?」


「パーティーに参加するのはいいけど、ひとつだけ条件があるわ」


「条件?」


「パーティーが終わったら、私の家に泊まること」


「……そんなことでいいの?」


「そんなことって、かなはまだ私の家に泊まったことないでしょ?」


「まあ、確かに……」


「それで、どうするの?」


「もちろん、遠慮なく泊まらせてもらうよ!」


「やった!」


みうの顔が一気に明るくなった。私までつられて笑顔になる。


***


「姉さん、ちょっといい?」


「なに?」


「今週の土曜日なんだけど……四条家でパーティーがあるんだよね」


「そうなの?」


「うん。……よかったら、姉さんもどう? その日は私、みうの家に泊まるから、帰りは一人になっちゃうけど……」


「そんなこと気にしなくていいわよ。誘ってくれてありがとう。もちろん、参加するわ」


「今から楽しみだね」


「そうね」


そうして、今日――。


私は大切な人たちと並んで、この光の宴にいる。


みうが笑って、姉が微笑む。天は少し離れた場所でシャンパングラスを傾けている。その横顔は、いつもよりほんの少し、やさしそうだった。


きっと、今のこの時間を――私はずっと、忘れない。

2024年も今日で終わりですね。あっという間でした。来年も投稿頑張るので他の作品も読んでもらえると嬉しいです。それではまた年明けにお会いしましょう。

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