表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
朝起きたら女の子になっていた件〜性別を超えた絆の物語〜  作者: 柴咲心桜
第1部 変化の兆し編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/70

姉の囁き、朝の違和感

「おはよう!叶」


キッチンから明るい声が響く。朝の光が差し込むリビングに、姉さんが笑顔で立っていた。エプロン姿の彼女は、私の好物である目玉焼きを丁寧に焼いている最中だった。


「おはよう、姉さん」


私はテーブルにつきながら、まだどこか眠たい声で挨拶を返す。


「身体の具合はどう? 平気?」


その問いかけは、昨日の“異変”を知っているからこそのものだった。


「うん、大丈夫だよ」


一昨日、私は一時的に男の身体に戻ってしまった。原因もわからず、しかも数時間で元に戻ったものの、それを知った姉さんはひどく取り乱していた。


「なら良かった。学校には行けそう?」


「うん、大丈夫!行ってきます!」


私は立ち上がり、鞄を手に玄関へ向かう。遅刻しそうだったからというより、あの話題から早く離れたかったのかもしれない。


「行ってらっしゃい、……●●●」


扉を開けた瞬間、姉さんの声が後ろから聞こえた。けれど、その最後の言葉は、音に飲まれて聞き取れなかった。何を言ったのだろう? いや、もしかして“誰かの名前”を言ったような……?


モヤモヤしたまま、私は家を後にした。


***


通学路の途中、見慣れた後ろ姿を見つけて思わず声をかけた。


「おはよう!みう!」


振り返ったのは、クラスメイトであり、数少ない私の秘密を知っている存在でもある少女だった。ふわっと笑った彼女は、朝日を浴びて少し眩しそうに目を細めた。


「おはよう!叶。今日も元気そうで安心した」


「うん。でも……ちょっとだけ気になることがあって」


「どうかしたの?」


私は、今朝の姉さんとのやり取りをみうに話した。姉の様子がいつもと違っていたこと、そして最後に聞き取れなかった言葉のことも。


「そんなことがあったのね……」


みうは少し顎に手を当てて考え込むような仕草をした後、ぽつりと口を開いた。


「案外、叶の出生に関わってたりして?」


「それはないよ!私の出生は至って普通だから」


「……そうだよね」


みうの笑顔が少しだけ曇ったように見えた。その一瞬に、私はわずかな不安を覚えた。


けれど、それがただの冗談で済まされるものではなかったと気づくのは――

もう少し先の話になる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ