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5 2人が帰って


「今日はマジで悪かったな、敦。」


「もういいって。奥さんからの頼みを断れなかったんだろ?」


「あぁ、どうにかしてあげたいって言われてな。敦の気持ちもわかるから迷ったんだよ。」


「まぁ、聞いたからって今更どうにもならん話だけどな。」


「それで向こうが諦めがつくならいいんじゃねって思っちまった。彼女さんもごめんな?」


「わたしはいいですよ!敦から高校時代の事も聞いてたし!」


「率直にどう思った?彼女さんは。」


「うーん、わたしには付き合いの長かった幼馴染とかいないからわかんないですけど、わたしだったら疑ってたとしても話はしたかな。」


「そうだよな、あの時の高垣は敦をずっと無視してたからな。周りが何を言っても聞く耳持たずで。」


「10年以上一緒に居てもその程度って事だろ?俺とアイツは。」


「やっぱり悲しいね。そんなに長く一緒に居たのに。敦もちょっと言葉が強かったもんね。」


「今更感が強くてなぁ。嫌な感じだったか?」


「うーん、でも敦の気持ちもわかるし、尊重したいかな、わたしは!」


「ありがとな。心のどっかでモヤモヤが残ってたのかな。」


「ハッキリ言えてスッキリしたか?」


「いや、そういう感じでもないな。なんか、もう関係ない人の話って感じかな。」


「向こうは幼馴染としてまた関わりたいみたいだったけど、どうするんだ?」


「俺はそのつもりはないよ。今まで通り、関わらずにいきたいかな。」


「そうか。高垣は結婚どうするのかな?」


「ちゃんと話し合って、2人で決めて欲しいですね!もし別れたとしても、敦の彼女の座は渡さないけど!」


「当たり前だろ、まゆと別れるなんて有り得ねぇよ。ましてやアイツと復縁なんて。」


「二人はホントちゃんと付き合ってんだな。結婚は?」


「考えてるよ。もうちょい貯金が貯まったらって。」


「私は貯金なくてもいいけどね~。」


「いや、そんな訳にもいかないだろ?まぁ、そんなに先の話でもないから。」


「敦と彼女さんならうまくやっていけそうだな。…そろそろ帰るか。今日はお詫びとして俺が出すから。悪かったな、敦。」


「おう、じゃ遠慮なくゴチになります!」


「ゴチです!」


そうして俺の友達とも別れた。



まゆと2人で歩く。


「まゆはどう思った?」


「美沙さんの事?」


「うん。」


「うーん、ちょっとズルいなって思ったかな?敦とどうしてもよりを戻したいって言うなら、彼氏さんと別れてから会いに来ると思うの。」


「うん。」


「でも、別れてない状態で敦に会いに来て、私がいたせいもあって復縁の話は殆どしなかったでしょ?」


「うん。」


「さっきも言ったけど、8年今の彼氏さんと付き合ってて、ある程度は信頼関係築いてたはずなんだよね。それでも彼氏さんに黙って敦に会いに来るのはね…。」


「そうだな。」


「付き合いが嘘から始まったとしても、だよ?敦にも彼氏さんにも、ちゃんと向き合ってないかな。」


「俺はそこまで考えてなかったな。ただ単に今更だって思っただけだった。」


「当事者なんだから仕方ないよ!…当時の敦は辛かったと思うし。」


「ありがとな、まゆ。」


「どういたしまして!」


2人で家に帰った。




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― 新着の感想 ―
[気になる点] 時任信二は嘘をつき敦を陥れて今の立場を手に入れたわけで、嘘を基盤・前提としている以上、美沙さんが時任の今までの行動・言動全てを疑ってしまうのは仕方がないように思えます。
[一言] 正にまゆ(彼女)嬢の言う通りのずるい人間だな誰かさん。
[気になる点] 主人公友人の「まゆちゃん」連呼が凄い気になりました。 細かいところかもしれませんが、主人公が「奥さん」とか、一定の距離感保っているのに…と、名前の呼び方が目に止まりました。 いや、社…
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