2 何でここにお前が
「久し振り、敦。」
何でコイツは話しかけて来てんだ?
何で俺の名前を気安く呼び捨てにしてんだ?
何で俺の家を知ってる?
何をしに来たんだ?用なんかねぇだろ?
色々な疑問が頭の中で回るが、取り敢えず無視して家に入った。
ピンポーン………。ピンポーン………。
うるせぇな。早く帰れよ。
しばらくすると、静かになった。
その後、お袋に電話してみると、
「美沙ちゃんが家に来て、敦の住所が知りたいって言ってたから、教えたわよ?」
と言われた。
まぁ、当時の事を細かくはお袋に話していないから、しょうがねぇか。
俺が相手にしなきゃいいだけだ。
次の日も家の前に高垣美沙がいた。
「あっ、敦!お願い!話を聞いてほしいの!」
うるせぇよ。お前は俺の話を聞いたか?
お前だってずっと俺を無視してきただろ?
俺とお前の関係はそんなモンだ。
そうしたのは、高垣、お前だろ?
無視して、家に入る。
またインターホンが鳴っていたが、しばらくすると静かになった。
何日かそんなことが続いた。
そんなある日、高校の時からの仲の良い友達から飲みの誘いがあった。
久し振りに会うという事で、参加することにした。
仕事で10分程遅れてしまった。
慌てて予約されていたらしい居酒屋の個室に入ると、
俺の友達と、高垣、高垣の女友達の3人が座っていた。