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真っ赤な吸血少女は好きな人を傷つけたくてたまらない  作者: M・A・J・O
第二章 吸血少女は愛されたい

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第56話 したいと思ってしまい……

「あの、なんかごめんね……変な勘違いしてて……」

「あははっ、花恋ちゃんは面白いなぁ」


 さっきの渚の「ホテル泊まりたい」発言に大きな勘違いをしていたことを正直に明かした。

 ドン引きされるかと思ったけど、渚はお腹をかかえて笑っている。

 引かれるよりはいいけど、そんなに面白いことだろうか。


「私がそういうことしたいようなやつに見える?」

「……見えない。あたしがやりたいって思ったからそのせいで勘違いしたのかも……」

「そっかそっか……って、え?」

「え?」


 あれ? なんだろうこの空気。

 二人して固まってしまった。

 お互いに顔を真っ赤にして見つめ合う。

 渚は耳まで赤く染めながら、視線を逸らしつつ口を開いた。


「……そっか。花恋ちゃん、したかったんだね」

「ち、ちがっ……くないけど! もう高校生だし!? 付き合って結構経つし!? そろそろいいかなって!」


 今まで、あたしたちは〝その〟一線を越えたことはなかった。

 それは単純にお互い初めてだったからという理由と、まだ早いんじゃないかという意見が一致したからだ。

 一緒にお風呂に入ったことはあるし、下着姿を見たことはあるし、一緒の布団で寝たことはある。

 だけど、そういうことはまったく縁がなかった。


「私は別にいつでもいいよ。花恋ちゃんさえよければ今晩する?」

「…………へ?」


 さらっととんでもない発言をされた気がするが、理解するまで時間がかかってしまった。

 今晩するってどういう意味だ。まさか泊まるってそういうことなのか。

 いやでもさすがにそれは早すぎるんじゃないだろうか。

 あたふたしていると、ふわっと抱き締められた。


「花恋ちゃん可愛いなぁ……私もしたくなってきたなぁ〜」

「えっ!」

「冗談だよー」


 渚はクスクス笑いながら腕を離す。

 なんだ、びっくりした……

 心臓が止まるかと思った。


「じゃ、遊園地デート楽しもっか」


 まずはジェットコースターに乗ることにした。

 絶叫系が好きなあたしとしては嬉しいアトラクションである。

 待ち時間なく乗れたことにテンションが上がる。

 安全ベルトをつけていざ出発!


「うわっ!?」

「きゃあっ!」


 ガタンガタンッ! 急発進に体がシートに押し付けられる。

 スピードが出る瞬間思わず目を瞑ってしまったが、徐々に速度が遅くなりやがて停止した。

 ゆっくりと目を開けると、視界がグラグラ揺れていた。


「花恋ちゃん大丈夫?」

「うん。渚こそ平気?」


 隣に座っている渚を見ると、彼女は青ざめた顔色をして冷や汗を流していた。

 声をかけるとぎこちない笑顔で返してくる。

 どうやらあまり得意ではないらしい。


「花恋ちゃん、次行こっか」

「そうだね」


 次の乗り物へ移動すると、渚が手を繋いできた。

 渚と指を絡めると、妙な安心感がある。

 上手く言葉にできないけど、すごくいい気分だ。

 二人で手を繋いだまま、アトラクションに乗り込んだ。


「うわああぁぁぁ!」

「ひゃあぁぁぁ!」


 グルングルン回転しながら宙を舞う。

 遠心力で振り回され、目が回る。

 隣の渚を見ると、彼女も同じ気持ちらしく目が回ってフラフラしていた。

 二人して地面に降り立つと、すぐに近くのベンチに座り込む。


「はしゃぎすぎた……」

「うん……ちょっと休もう」


 ベンチで休憩してから、また別のアトラクションへ向かった。

 楽しい時間はあっという間に過ぎていく。

 あたしたちは夕方になるまで遊んで、最後に観覧車に乗った。

 夕陽に染まる景色はとても綺麗だ。


「花恋ちゃん、今日一日楽しかった?」

「もちろん。渚からの一世一代の告白も聞けたしねー」

「ちょっ、それは忘れてよ!」


 あたしたちはいつも通りくだらない話をしながら笑って過ごした。

 もう夕方になっちゃったか。

 名残惜しいけど、あたしは渚に言わなきゃいけないことがある。


「ん、どうしたの?」


 真剣な表情をしているあたしを見て、渚も察してくれたようだ。

 緊張した面持ちになりながら、あたしの言葉を待つ。

 あたしは大きく深呼吸して、自分の想いを口に出した。


「あたし、ホテル泊まりたい」


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