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第5話 ループへの挑戦

こんにちは。

頭の中の物語を文字にしてみます。

ラストにたどり着けるように、不定期ですが更新したいと思っています。


よろしくお願いします。


※1作目と全く違うジャンルで挑戦中です。無事にラストまで書ききれますように!

 千紘は部屋で一人、さっきの染田との会話を思い出していた。


「彼が言っていたことが本当だとすると……どうなるの?!?!」


 こんな不思議な事が現実にあり得るとは思えない。

でも、夢か現実かわからない日をここ数日過ごしているのは事実だ。

「確かめてみたい……」千紘は心に決めた。


 明日、あの石を触ってみようと。





~2021年8月28日~


 千紘は今日も朝早くに目が覚めた。

そしてすぐにスマホを確認する。

「2021年8月28日 7:25」

よし、と自分に気合を入れて、出かける準備をした。



「ウォーキングに行ってきます」と声をかけて家を出る。

「ウォーキング? こんな早くに? 珍しいわね」と母の笑い交じりの声が後ろから聞こえていた。



 門を出てそっと見る。染田はいない。

(あたりまえか……)

そう思いつつも「染田がいてくれたら安心なのに」と思っている自分に気がつき、あれ? と思う。


 不安な気持ちのまま石の前に来た。

一旦息を吸ってから、おそるおそる手を伸ばす。



 その瞬間、手が石に引き込まれるような力を感じ、千紘は突風に飲み込まれていた。





~2021年5月7日~


「おい! 聞いてるのか?!」


 突然、聞き覚えのあるだみ声が耳元で聞こえ、千紘はびくっとした。


 瞬時に周りを確認する。

(ここは……会社……部長の席の前……だ!)

「は、はい!」

千紘は慌てて部長に返事をする。



「まったく。これだから……」

また部長の小言が始まった。

千紘はそっと部長のデスクのカレンダーを確認して、はっとする。


 カレンダーは「2021年5月」のページが開かれていた。

(やっぱり……過去に戻ってる……そして、この前よりもさかのぼってる……)



「……わかったか?」

部長の小言がひと段落したようだった。

「はい。気をつけます」

千紘はそう言うと、部長が差し出している手書きの見積もりを受け取った。

「至急!」

部長はそう言うと、もう自分のパソコンに向かっている。

「失礼します」

千紘はそう言い、自分の席に戻った。



 隣の席の明美がため息をつきながら、千紘にそっと話しかける。

「お疲れ……ほんっと嫌になっちゃう!」

千紘は、あははと愛想笑いを返した。



 そしてもう一度、自分のデスクの上のカレンダーを見る。

(やっぱり5月……今日は何日なんだろう……?)

パソコン画面にある社内システムの自分のスケジュールを確認した。


「2021年5月7日 金曜日」


 そして千紘は染田が話していた内容を思い出す。

(過去の後悔した日に戻るって言ってたよね。この頃って何に後悔したんだろう……)

そして何気なく手に持っていた部長の手書きの見積もりに目を落とす。

「あ……これって……」



 千紘は記憶を辿っていた。

あの日、部長に渡された見積書を千紘は作成した。

そして誤りを発見したのだった。

それを部長に指摘した方がいいのか決めかね、「渡す時に口頭で言えば良いか」と、そのまま作成した。


 そして部長に見積もりを渡そうと席に行くと、タイミング悪くちょうど電話が入り、見積もりだけ部長が受け取ったのだ。

千紘は一言伝えたくてその場に立っていたが、電話を切った部長が「なんだ?! すぐ出るから!」と手でしっしっとする動作をしながら言い放ち、千紘は「あ、あの……」と何も言い出す事ができなかった。


 その後、外出先の部長から怒りの電話が入ったのは言うまでもない。

「俺に恥をかかせやがって!」

電話口でそう言われた千紘は必死で涙をこらえたのだ。



(今回の選択は、部長に間違いを指摘するか、しないかって事だよね……恐れるな! どうせまた変わってしまう過去なんだ!)

千紘は心の中でつぶやく。

千紘は見積書を握りしめ、部長の前に行った。



「あの、部長……」千紘は勇気を振り絞って声をかけた。

「なんだ?!」と部長はいぶかしげに千紘を見上げた。


 若干震える手で見積書を指さし、千紘は言った。

「ここの数字……もう一度、ご確認いただけないでしょうか? 私の勘違いであれば申し訳ありません。ただ、急ぎとの事でしたので、すぐに先方に持って行かれるのではと思い、尚更気になる部分は部長にご確認をお願いしたいと思いまして」


 なんと、回りくどい言い方だ!

千紘は自分でも話しながらそう思っていた。でも、この部長の性格からいって、間違いを他の社員に聞こえるように指摘すればどんな仕打ちが返ってくるかわかったもんじゃない。

(回りくどすぎて何を言ってるかわからないぐらいで丁度いい)そう千紘は判断した。



 部長は自分の作成した見積書をじっと見る。

そして一瞬はっとするのがわかった。

「あー。すまん。すまん。こっちにしてくれ」

部長は慌てた様子で、見積書を手書きで書き直した。


(よし!)と千紘は心の中でガッツポーズした。



 その瞬間、千紘の身体は突風に飲み込まれ、未来へと戻って行った。

お読み頂きありがとうございました!!!→つづく


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