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第30話 海斗のループ:中学3年生

こんにちは。

頭の中の物語を文字にしてみます。

ラストにたどり着けるように、不定期ですが更新したいと思っています。


よろしくお願いします。

~2010年9月24日~


「あの……佐々木先輩!! 好きです! 付き合ってください!」


 海斗は突然目の前の女の子の言葉を聞き、どきっとする。

「えっ?!」

これは一体どういう状況?!


 海斗は頭の中で記憶を手繰(たぐ)り寄せる。

そういえば……中学生の時に何回か告白されたことがあったな、と思い出す。


 その当時の海斗はスポーツ推薦で高校へ行くことが決まっていて、恋愛はご法度という暗黙の了解の中で過ごしていた。

女の子に興味がなかったわけではない。

恋愛をしてみたいという思いもあったが、まだ中学生で陸上ばかりやって来た海斗は、特定の誰かを好きになる事はなかった。


「そうだ。正樹にそんな話をしたことがあったな……」

海斗は思い出していた。





「今日、帰り道に告白されたんだよね」

海斗の言葉に正樹は目を丸くして聞いてきた。

「本当?! どんな子だったの?」

「え?! わかんないな……突然で驚いたし……顔もよく見てない。なんだか恥ずかしくて、そのまま無視して帰ってきちゃった……」


「え?! なにそれ?! その子、傷ついてると思うよー。海斗って恋愛とか奥手なタイプだったんだね」

笑いながら正樹に言われ、海斗は「そうか……悪いことしたな……」と思っていた。


「でも、そういう正樹はどうなんだよ」

海斗に反撃され、正樹は少し寂しそうに微笑みながら言った。

「僕は大切な子がいるよ。ずっと心の中にいる。でも、もう会えないけどね……」

その正樹の言葉を、当時の海斗は「ふーん」と聞いていた。


 でも、今ならわかる。

正樹の大切な子は、「千紘」だ。





「あの……先輩??」

声をかけられて、海斗は我に返る。

そして、告白してきた子の顔を見て「あれ?」と思った。


 どこかで見た事のある顔……

「前に、会ったことあるっけ……?」

海斗が聞くと、その子は顔をぱっと明るくして言った。

「佐々木先輩が練習してるとこ、いつも見てたんです。私、山中亜理紗って言います!」


 海斗は「え?! 亜理紗?!」と動揺が隠しきれずにつぶやいた。

どういう事だ? 亜理紗って中学の後輩だったのか?!

そういえば、大学も後輩だって言ってた気がするけど……




 公園へ向かう道を歩きながら、海斗は「縁がある人とは、必ずどこかでつながるものなのかな……」と思っていた。

たとえ過去で出会えなかったとしても、自分はどこかの未来でまた、千紘とつながる事ができるだろうか、と空を見上げていた。





「亜理紗ー。どうだった?!」

友達が亜理紗の姿を見つけて、駆け寄ってくる。


「撃沈……」

「やっぱりー。佐々木先輩って、告白してもろくに顔も見ずに無視するって噂だったじゃんー」

亜理紗は大きく首を振った。

「それだったらさ、高校も大学も仕事も、ずっと追いかけようと思ってたけど。全然違うの……」

「どういう事?」

「大切な子がいるんだってさ。まだ出会えてないけど……自分はその子の事以外は考えられないから、もっと他の人を見た方が良いよって言われた」

「は?! なにそれ?! しかも、出会えてないってどういう事?!」

「ほんと、どういう事?! って感じ。なーんか馬鹿らしくなってきた」

亜理紗はそう笑いながら、溢れる涙を懸命に(こら)えていた。





 海斗はいつもの公園に行った。

緊張しながらそっと覗き込むと、いつものベンチに正樹が座っているのが見え、安心する。


「正樹!」

海斗は明るく声をかける。

振り返った正樹の笑顔を見て、海斗は心底ほっとしていた。

この前のような傷ついた顔を正樹にさせてはいけない、そう思いながら話しかける。


「何してたの?」

「うーん。考え事」

「この前言ってた過去に戻る方法の事?」

海斗の質問に正樹はあははと笑い、そのまま黙っていた。



 海斗と正樹はこの年の夏休み前に、この公園で出会った。

それからは、夏休みの間もなんとなくこの公園で会っては話をしていた。

特に約束をしたことはなかったが、いつも正樹はこのベンチで海斗を待っているように感じていた。



「今日、帰り道に告白されたんだよね」

海斗は先ほどの出来事を正樹に話した。正樹は目を丸くして聞いてきた。

「本当?! どんな子だったの?」

「後輩……かな? 明るくていい子だよ。でも……」

「でも?」

「俺、好きな子いるから……それ、伝えた……」海斗は下を向く。


「へぇ。海斗、好きな子いたんだ! どんな子?」

「素直で、頑張り屋で……でも、自分に自信がなくて。本当はすごく強い子なんだよ。そんな子……」

「そっか」正樹は静かに答えた。


「ねえ。正樹。前に『過去にものすごく後悔した事がある』って言ってた話なんだけど。聞いてもいいかな」

海斗の真剣な表情に、正樹は少し戸惑いの色を見せつつ、しばらく黙っていた。

お読み頂きありがとうございました!!!→つづく


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