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無職の男

作者: 川目漱介

 靴下が無い。無いなら無いで匂いの少ない物を洗濯物からチョイス。洗濯だって金がかかる。なにより面倒臭い。俺は出かけることにした。職安へ。適当に良さげなものをみつけ職員のいる相談窓口へ。職安の職員は、やれもっと条件がいいところがあるだの、それは無理だのうるさい。行ってみないとわからない。まさに就職はギャンブル。喉が渇いたので話を切り上げ外へ。暑い日に公園で飲む缶ビールは最高である。子供が近寄って来たので小分けの柿ピーを一つ分けてやった。暇だし弟の眼鏡屋にでもちゃんと仕事してるか見に行ってみるか。


 弟も缶ビールを飲んでいた。ただ俺と違うところがある。それは年寄りの相手をしていた、というところだ。ボランティア精神大いに結構。たまに差し入れがあったり、なにか買ってくれたりするのだろうか?…兄ちゃんも暇つぶしに来たのか?


 眼鏡屋は弟が継いだ。俺は田舎町が嫌で大阪市内に飛び出したが(というほど遠いとこに行ったわけでもないが)都会の殺伐とした人間関係が嫌になってこの町に戻ってきた。やっばり田舎はいい。眼鏡屋の冷蔵庫から1本出してまた飲んだ。昼間からのアルコールは最高だ。


 外に出るとセミがうるさい。セミって食べられるんだっけ。一匹捕まえて部屋に帰って素揚げで食べてみた。翅以外はいける。毎日捕まえて食べていたらセミジジイと呼ばれるようになり市役所職員から条例違反だから止めるようにと声をかけられる始末。なぜセミを食べてはいけないのか?


 そんなことよりさっさと就職しなければ。


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