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第10話 書斎で

「お、[世界の種族一覧]か、これは見ておいたほうがいいな」


 前世には人間しかいなかったからな。

 この世界にはどんな種族がいるのかと、その種族の特徴は見ておいたほうがいいだろう。


[世界の種族一覧]


 現状で、我が国が発見している種族について記す。


 簡易紹介


[人間・ヒューマン]


 これと行った特徴がない種族。


 強いて言うなら数の多さ。

 あと、適応力もそれなり。

 しかし、どの種族より優れた特徴は持たない。

 寿命は100年ほどと、短命。


 平均的な種族。

 故に人種の間で人間。


[森人・エルフ]


 どの人種より高い魔力を持つことが特徴。


 耳が尖っており、魔法の適正は基本的に風と光。

 エルフの中には氷と風に適正を持つ、スノーエルフ、闇と風に適正を持つダークエルフも存在する。


 体型は基本的にスレンダー。

 主に森の中で生活をしている。

 寿命は約1000年ほどあるのではと言われている。


 森の中にあるものが基本的に好物である。

 草類や果実類、キノコ類、獣肉、そして川の水。

 主にこれらがエルフの口にするものだ。


 適正魔法に風がある関係上、主に遠距離からの攻撃を好む。

 武器は杖か弓が一般的だが、まれに槍を使うものもいるらしい。


 魔力が高い反面、肉体面は脆く、動きは素早いが力がない。

 そして体力も少ないため、持久戦は不得意。

 森での立体機動は得意だが、平地の戦いには向かない。


 森の中はエルフの領域。

 エルフを森で相手する場合は、非常に厳しい戦いになるだろう。

 主に森で過ごす人、故に森人。


[山人・ドワーフ]


 どの種族より鍛治に適した能力を持つことが特徴。


 子供も大人も皆髭を生やしており、魔法の適正は基本的に火と地。


 体型は基本的に小さく、丸っこい。


 主に山などの洞窟の中で生活をしている。

 寿命は約200年程度だと言われている。


 酒はどのドワーフもかなり好む。

 後は普通になんでも食べるが、鉱石をかじっているドワーフも稀に見かけるらしい。


 鍛治を行なっている種族で、基本的に良い武器や防具は皆ドワーフ製のものが多い。

 しかし、己の満足のいった武具には非常にこだわりを持つため、己が認めたもの以外が装備すると武器はなまくらに、防具は防御力が消える魔法をかけている。


 故に、巷に出回っているドワーフ製の武具はドワーフにとっては失敗作である。

 しかし、他の種族では到底作れないようなものが多いため、ドワーフ製というだけで高価な値段がつく。

 当然品質も値段通り高い。


 山の洞窟で暮らす理由は、鉱石が近くにあるからである。

 ドワーフの多くは鍛治をすることが生きがいで、素晴らしい武器を作ることを目標としている。

 なので、戦うことを職業としているドワーフ以外は山にこもり、自分で鉱石を掘り、自分で作業場を作り、山の中で生活を送る。

 しかし、山では酒が手に入らないため、時折街に降りてくる。


 縄張り意識等はなく、よその山からやってきたドワーフも普通に受け入れる。

 山に鉱石がなくなれば、また別の山に移動をする。


 そのせいで、ドワーフは大体複数人でまとまっている。


 武器は主にハンマーと盾を使用する。

 稀に全身鎧を着て、その鎧を武器に戦うドワーフもいるらしい。


 力が非常に高く、耐久力もあり、魔力も結構高い。ただし足が遅く、鈍い。

 主に至近距離での力押しが得意。

 一撃に勝負をかけるタイプ。


 故にドワーフとの近距離戦は避けたほうがいいという意見もあるが、火と地の魔法適正も高いため、遠距離にも対応してくる。


 狭い洞窟は逃げ場が少なく、力押しが得意なドワーフが有利な戦場である。


 ドワーフを狭い洞窟で相手にする場合は、非常に厳しい戦いになるだろう。


[獣人・ビーストマン]


 獣人は、様々な獣の特徴を持つ種族の総称である。

 猫人、犬人、狐人、狼人、狸人、熊人、虎人、


「うーん、まぁ、大体前世の知識と似通ったところが多いな、軽く流し見するだけでいいか」


 俺は適当に読んでいった。


 そして、一つ、全く聞き覚えのない種族があった。

 いや、さっきの[帝国の悪魔]の話にも少し出てきていたか。


 それは、[適人・サマオーウィスプ]だ。


 てっきり名前がウィルオーウィスプに似ているため、それに近しい何かなんだと思っていたが、全然違うようだ。


[適人・サマオーウィスプ]


 どの種族よりも最も環境変化に強いのが特徴。


 その環境に1時間もいれば完璧に適応してしまうほど、適応能力がずば抜けている種族。


 常夏の国では、グラマラスな体型になり、表面積を増やし、暑さをしのぎ、冬は小さな子供の姿になり、表面積を減らし、あまり熱を逃がさない体型をとる。


 砂漠に行けば、水をほとんど飲まなくても生きられるようになり、昼と夜の温度変化にも強くなる。


 海に行けば、ヒレが付き、かなりの速度で泳げるようになる。


 空に行けば、翼が生えて自分で飛べるようになる。


 洞窟に行けば、光がなくとも周囲がよく見えるようになり、酸素が薄ければ酸素を必要としない体に変化し、毒素が充満している場合、その毒素の抗体を得る。


 強大な魔物が周囲を徘徊しているような場所なら、自身の存在感を周囲に溶け込ませ、発見されること自体を防ぐ。


 そういった環境に即座に適応し、生存するための身体を持っている。

 しかし、体を変化させるには、当然莫大なエネルギーが必要であり、エネルギーの消費が激しく、基本的にサマオーウィスプは皆大量に食事をする。


 故に、サマオーウィスプの一番の死因は餓死である。


 サマオーウィスプが唯一適応できなかった環境は、食料のない環境だけであると言われているほど、どこでも生きていける。


 しかし、戦闘能力はかなり低い。

 戦闘力の代わりに適応力や隠密力を高めた、生存特化の種族だ。


「不思議な種族もいるものだ」


 よし、他の本も読もう。


「ん?[髪の色と適正魔法の関連性]?」


 なんだ?これ?


[髪の色と適正魔法の関連性]


 髪の毛の色と適正魔法には関係性があると言われている。

 その人物が持つ適正が髪の色に現れる。

 火なら髪が赤色に、水なら髪が青色に、風なら髪が緑色に、雷なら髪が金色に、地なら髪が茶色に、氷なら髪が銀色に、そして光なら髪が白に、闇なら髪が黒に近づいていく。


 例えば、紫色の髪の毛をしているものは、赤と青の混色、つまり火と水の魔法に適正を持っており、薄紫なら火と水、そして光の適性を持っている。

 黄緑色なら、風と雷、桃色なら、火と光、血色なら火と闇となる。


 もしくは、左右で髪の色が分かれていたり、赤い髪に、一房だけ緑色が混ざっているという人もそんざいする。

 しかし稀に、髪の色に含まれていないはずの魔法を扱うものが存在する。


 それは、


 ドーーーン!!!バラバラバラ!きゃー!


「ん?」


 同じ部屋から何かものが倒れる音や崩れる音、誰かの悲鳴が聞こえてきた。


 俺は本から目を離し、音が聞こえた方向を見てみると、そこには倒れた本棚と散らばる本、そして

 その近くに座り込んでいるエルミの姿があった。


 また何か失敗したのか?

 状況を見てみる限り、おそらくエルミが本棚を倒したんだろうが、どうやって倒したんだ?


 ・・・思ったんだが、もしかしてエルミはドジっ娘と呼ばれるやつなのではないか?


 この家でドジっ娘は致命的じゃないか?


 はぁ、仕方ない、せっかく好感度を稼いだ人間が辞めることになったら苦労が水の泡だ、助けるか。


 そう思い、エルミがいるところに向かって歩き出した。


「ん?」


 なん、だ?倒れた本棚の奥に、扉が見えた。


 隠し扉?

 俺は何故か、自然とそちらに足を向けていた。


「え?い、イヴィル様!?」


 そして、気づけば扉を潜っていた。


「・・・え?あれ、」


 扉の奥には、階段があり、俺はまるで何かにとりつかれるようにその階段を降りていった。


 おかしい、明らかにおかしい。

 何故こうもこの先が気になるのか、何故こうも惹かれるのか。

 まるで自分が自分じゃないかのようだ。


「っ!」


 落ち着け、これは何だ?一度目を閉じ、耳を塞ぎ、深呼吸をした。


 今の俺の状態は明らかにおかしい。

 一度戻るべきだ。


 だが、体が動かない、いや、体を動かさない。


 抗いがたい誘惑を感じる。俺はこの先に進みたがっている。

 明らかに異常だ、こんな事は常識では考えられない。


「・・・魔法か?」


 俺は何らかの魔法により精神汚染を受けているのか?

 その可能性が高そうだ。

 精神汚染の解除魔法なんて、俺はまだ覚えていないぞ。


 ふと思った、俺が書斎からこの扉に入った時、エルミの声が聞こえた筈だ。

 たが、エルミはこちらを追いかけてきていない。


 何故だ?

 色々と可能性は考えられるが、推測の域を出ない。


 まあいい、とりあえず、この抗いがたい誘惑のせいで俺が書斎まで戻るのはかなり厳しい。

 だから、進むしかない、この明らかに怪しい階段を。


「気を引き締めていくぞ」


 この精神汚染は、精神をしっかり保っていれば、ある程度は耐えられる。

 だから気を抜かず、自身を制御してみせる。


 自身が迂闊な行動をしないように注意しながら、俺は階段を降りていった。

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