主人公チーム人物紹介
通算100話目記念(?)ということで主人公一行の大まかな紹介を載せます
技なんかは本編時点でのものとお考え下さい
【ナイン】
主人公。白い髪に薄紅色の瞳が特徴の低身長少女。元は男子高校生だったが気付けば異世界で超美少女になっていた。
今のところの目的はやむなく食べてしまった聖冠という希少なマジックアイテムを体内から取り出すこと。そのためには同じく希少なマジックアイテムである聖杯の力が必要となる。聖杯を所持しているのは天秤の羽根という宗教団体。身分によって対応を変える彼らに近づくために『闘錬演武大会』――有名な武闘大会に出場し優勝、素晴らしい闘いを見せた者にだけ贈られる『武闘王』の称号を手に入れようと開催地スフォニウスへ向かっている最中。
ナイン本人はRPGのお使いクエストのように感じて少しげんなりしている様子。
気性は一般的なレベルで温厚だが特定のことにはキレやすい。度々「理不尽が嫌いである」と口にしている通り、彼女が理不尽に感じた物事に対しては苛烈な対応を見せる。また本人に自覚はないが説教臭い一面がある。ただし口が上手くないために、彼だった時代からそうだが多くの場面において彼女の弁舌は無駄に終わるのがほとんどである。精々が相手を困惑させる程度にしかならない。
性格はほどほどに臆病でほどほどに無謀。自分の心の弱さが肉体の強さの足を引っ張っていると知ってからはなるべく臆さないようにと心掛けているが中々うまくいかないようだ。弱い一面を持つが故に面倒見はいいほうだがあまり気は利かないという欠点がある。やはり内面はただの男子のようだ。
彼女は根底的に『正しく強く』というのを目標に理想の自分を目指している。自問自答の果てにそれが明確になってからはめきめきと力を伸ばし、肉体の扱い方に関しても『戦闘モード』よりも上の『覚醒モード』を身に着けるなど目に見えて上達した――が、あくまで『覚醒モード』は本人の気合の問題であり、飛行能力は聖冠の魔力と補助が欠かせない。なのでナインは聖冠を取り出した暁にはもう飛べなくなるのでは、と半ば覚悟している。
ちなみに空を飛ぶことに関しては「気持ちいいけど割と怖い」という子供のような感想を抱いている。
好物は大抵の食べ物で、特に汁物を好む。趣味と呼べるものはこれといってなし。一人ではろくに目的地へ辿り着けないという特技(?)を持つ。
《技・スキル》
戦闘モード 「言葉通りの戦う為の状態。瞳が赤みを増してぼんやりと光り、髪が僅かにざわめくのが目印。一番の効果は戦闘行為にナインが躊躇いを覚えなくなること」
覚醒モード 「現状での本気を引き出した状態。瞳が強く発光し、髪が逆巻く。全身からオーラのようなものまで出す。気が昂りすぎてしまうのがナインとしては難点」
守護幕 「オーロラ状の防護壁。攻撃や特殊な異能から対象を包むことで守る。硬さや効力はナインのやる気次第なところがある。とても綺麗」
瞬間跳躍 「意識を向けた先へ跳ぶ。間の障害などをすり抜け瞬間的な移動を可能とするが現時点では自由に使いこなせない。助けて聖冠」
【クータ】
ペット一号。赤い鳥。人間態だと赤い髪に橙色の瞳。『流れ着きの森』と呼ばれるリブレライト近郊の広大な森の中でナインと出会い、一目で彼女を気に入りついていった。その後絶体絶命のピンチを助けられたことでますます骨抜きにされ、名前を貰ったことで好意と忠誠心が決定的なものとなった。森出身ではないと予想されるその出自は未だ謎に包まれている。
初見時のリュウシィからはバードマンと判定されたが、クータが人間態になったのはナインによる命名が原因なので、命名後の生態こそ似通っているが彼女の種族はバードマンではない。
勿論ナインはそんなこと知らない。
性格は闊達の一言。明るく元気でムードメーカー。ただしナインに関わることであれば異様に疑り深く、そして嫉妬深くなる。ナインのペットであることに誇りを抱いており、いつかはナインと並べられるぐらいに強くなりたいと夢見ている。
炎を操る能力を有し、持ち前の翼で人間態でも空を飛べる。炎で敵を燃やすだけでなく、体から噴射させることで機動力を上げたり炎で自らの分身を作りだしたりもできるようになった。奔放で気ままなようでいながら自分磨きの努力は欠かしていないようだ。
人間態になれるようになってからは戦闘の機会が増えたこともあって食欲がかなり増した。特に炎を使うと肉が欲しくなるなど食の好みにも多少の変化があったらしい。
過剰なまでにナイン一途な彼女だが後輩にあたるジャラザとは案外うまくいっているようである。お互いに持っていないものが相手にあると感じて何となく認め合っているのかもしれない。しかしその分、嫉妬も抱いていることだろう。
《技・スキル》
熱源探知 「熱いものをある程度探知することが可能。集中すれば体温レベルで探れるがそれ以下だと機能しない」
炎パンチ・キック 「炎を纏った四肢で殴る・蹴る。単純ながらに敵からすれば厄介」
爆炎パンチ・キック 「炎を爆発させながら殴る・蹴る。当然敵からすればもっと厄介」
大爆炎アタック 「最大火力の炎を全身に纏って全力で突っ込む。威力は随一だが周辺被害も甚大」
熱線 「口から炎を猛射するとっておき。溜めが必要だが高火力かつピンポイントで撃ち抜けるために様々なシーンで有用である」
拡散熱線 「熱線の広範囲版。もはや熱線とは言わない。要は火炎放射であり一面に炎を吹き出したい時はこちらを使う」
炎分身 「炎で形作った自分の分身体。操作はマニュアルだが他の炎と同じくある程度感覚的に操れる。当然だが炎であるために本体と見分けがつかないほど精巧、とまではいかない」
【ジャラザ】
ペット二号。青い蛇。人間態だと空色の髪に群青の瞳。先祖返りを起こして巨体化した百頭ヒュドラが命を落とす際に産み遺した分体であり娘。何千年というヒュドラ種が血統の奥底で受け継いできた記憶の海がその身に宿っているが、生まれが生まれなだけに過去を上手く思い出せない様子。何か刺激があればそれにちなんだ知識が蘇ることもあるだろう。
クータと同じくナインに惹かれついていくことを選んだ。しかし彼女の場合はナインに打ちのめされた記憶をきっかけにそう決めているので動機が同じとは言い難い。ひょっとするとM気質があるのかもしれない。ナインから同行の意思を訊ねられた時はクールに見えて内心狂喜していたのは誰にも言えない彼女だけの秘密である。
性格は理知的。クータとは好対照で、また体付きも少女ながらに胸や腰つきといった性差を意識させる部位の発達が著しい。そこもスレンダーなクータとは好対照である……とナインがうっかり漏らして両方から睨まれたエピソードがある。ジャラザのは単なる照れ隠しだったようだが。
ナインとクータがやたらとほにゃほにゃしているので自然と彼女がツッコミ役に回ることになるが、本人はその役割を意外と気に入っている。なんにせよ役目があるのはいいことだと彼女は思っているのだ。
自分がしっかりしなければ大変なことになる、という強迫観念めいた強い使命感もあることは否めないが。
水を操る能力を有し、まだナインにも披露してないが本気の彼女は毒も使う。三人の中では戦闘・支援・補助の能力が最もバランスよく纏まっていると言える。というか他二人が戦闘一辺倒過ぎるのだ、とはジャラザの弁。
《技・スキル》
特殊ピット 「従来の蛇の持つそれとは違って気の流れを探ることができる。それが穢れたものであるかの判定も可能」
清流の癒し 「清き水による癒しの力で傷や病理を伏させる能力。単純に疲れを取るマッサージ代わりにも使える」
水泡 「シャボン玉のような水の泡を浮かべる。空中での足場に利用したり相手の拘束などに役立てる」
瀑泡弾 「莫大な水量を詰め込んだ水の砲弾を発射する。仮に空から地上へ放てば大滝のようになる」
飛泉刃 「圧力のかかった水の刃。つまりはウォーターカッター。これで切ったのは今のところ野菜だけ」
水流操作 「周囲にある自然界の水もある程度任意に操れる。水場であればジャラザはより強い。水のない場所でこれほどの水遁を……」
水分身 「クータに触発されて生み出した技。水で己の分身体を作る。炎分身よりも精巧にできているがその分動かすのに神経を使う。炎分身とあらゆる面で競争させて互いに実力を伸ばしている……が、それ以外の目的で使用したことはない」