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短編集 冬花火

自然状態

作者: 春風 月葉

 田舎らしいのどかさのあった私達の村に、法律屋を名乗る男達が来てから、村人達は変わってしまった

 法という名の桎梏から逃げ出して、もう三年が経つ。

 元々は争いがないようにと受け入れたそれは、私達から灰色の逃げ場を奪った。

 今までは許し合えたのに、今は憎しみ合っている。

 どうあっても正しい側と悪しき側を区別したがる。

 そんな村に嫌気がさして、私は村人達を置いて束縛なき外の世へと飛び出した。

 しかし、その選択を後悔するまでにそう時間はかからなかった。

 あれはたしか村を出てから四つ目の都市だっただろうか。

 私は世界が人の心より印の押された紙の方が絶対なのだと知ってしまった。

 畢竟するに、この世界は心で動かなくなってしまったのだ。

 くしゃ…、法の印刷された紙を握り潰して放り捨てる。

 ポイ捨て禁止、と書かれた紙が貼ってあるのを見て、舌打ちをしつつも紙くずを拾い上げてゴミ箱を探す。

 今も私は法のない世界を探している。

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