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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

豹変したわたし。

作者: 七瀬

私の名前は 『鈴島 みお』 27歳。

私は控え目で殆ど何を言われても 『はい』と言ってしまう。

【断れない女なんです。】


仕事も、その日は用事があって早く帰りたかったのに職場の上司から

『今日、残業して欲しいんだけどいいかな?』

『は.はい』


何時もこんな風になってしまう。

仕事場の人たちと飲み会があって何が食べたいかと言う話になり...。


『鈴島さんは、何か食べたいものとかありますか?』

『えぇ!? ......。』

『やっぱり、肉がいいですよね?』

『そ.そうですね...。』


自分の意見が言えない。

情けない、どうして自分の意見が言えないのか......?



そんな時、実家からお母さんが私の一人暮らしの家に転がり込んできた。


『私の母親は、物凄くだらしない人だ!』


私が子供の頃から、私の心を縛り付けてくる。

とにかく、何でもかんでも私がする事にいちいち口を出してきて汚い言葉で

私に怒鳴りつける母親。


『お前は!! 何時もいつも何でそうなんだ~!!!』

『本当にみっともない!!!』

『可哀想な子だよ~』

『私はね? アンタをそんな風に育てた覚えはないからな~!!』


...それと、カッと頭に血がのぼると手も出る人だった。

私は子供の頃から、アザがあちこちにあり服で隠して学校に通っていた。



やっと、母親の呪縛から逃れたと思ったのに.....。

何処で調べてきたのか? 私の一人暮らしの家を見つけてやってきた。


『何より、恐れていたことが起きた。』


母親が、私の家に来て最初に言った言葉が忘れられない。


『これからずっとよろしくね? ねぇ~みおちゃん。』

『......』


私の心が子供の頃の私に返る。

また、毎日この母親と生活をする事になった。


私はあの頃と同じように母親に怒られ殴られている。

子供の時の事がフラッシュバックする。


『私は一生、死ぬまでこの人から逃げれない!』...と。


そう思うと... 『私は豹変』した。

私は生まれて初めて母親に盾突いた。


もう、あの頃みたいに子供の体じゃないし言葉も私の方がよく知っている。

母親より背も体格も私の方がいい。

しかも...? またこういう事があるんじゃないかと体をずっと鍛えてきた。

まさか!? この時、、、『私と母親の立場が逆転した。』


子供の頃は、ずっと何を言っても何をしても母親は許してくれなかった。

だから、私も母親にあの頃と同じ事をした。

そうしたら......?


『ごめんなさい。貴女をこんな辛い目に遭わせていたなんて! ごめんね。』

...と泣き出してしまった。


それが、母親と最後だった。

母親は次の日の朝、まだ私が寝ている間に私の家から出て行っていた。

私は、途轍もない 『自己嫌悪』に陥った。


『母親になんて事をしたんだと...ずっと自分を責めた。』


子供の頃に、私が母親にされたことを大人になってやり返していい訳じゃ

ないのに......。 私は母親のようになってしまった。

でも、母親も私のように私にした後は、、、物凄く後悔したのかな?

いろいろと考え悩んでいた。


でも、その事があってから私は少し前向きに考えるようになる。

これは、『心の病気』なんだと思うようになった。


だから、私はカウンセリングを受ける事にした。


今は、普通に断るところは、しっかり断れるようになったし自分の意見も

少しは言えるようになった。



すべては、 『母親』が原因だったこと。


今は、前向きにしっかりと生きている。



最後までお読みいただきありがとうございます。

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