最初の2カ月。
最初の2カ月は浸出液との闘いだった。縁が浮いてきたカサブタを剥がすとすぐに浸出液が浮いてきて翌日までほぼ丸一日、滴る浸出液を拭き取りながら過ごす日が多かった。。そしてそれが乾くとまた黄色いカサブタに覆われた。そしてそのカサブタが突っ張るので、その突っ張る痛みもプラスされた。
家事は、浸出液が治まっているうちに急いで済ませるという、だましだましの日々。ちょっとしたはずみで、壁などに浸出液が着く。洗濯物を干していても、ハンガーにかける時に液で汚してしまいつまみ洗いをしたり、洗い直しで再び洗濯機行きになるものが出るのは毎回のことだった。
付着しているのを見るたびに自身が不衛生を作り出している気がして、辛い。
痛い。痒い。突っ張る。液が滴る。立ちくらみはする。浸出液の生臭さと苦痛の中、私の身体はどうなってしまったんだろう?と自問する毎日。
「浸出液がそれだけ出ているってことは、常に出血しているのと同じことだから、健康な人よりも更に栄養を摂らないと治らないよ。」
二日間ほど電話をしなかった時に薫子が心配して電話をくれ、その際に言われた言葉。なるほど。立ちくらみも納得。そして以前にも書いたが、健康な人よりも更に栄養を摂らないと治らない、というのはこの『常に出血しているのと同じ』だから、そこを補い、更に皮膚を修復するための栄養が必要だから。
栄養補給にサプリメント、皮膚を修復したり痒みを止める手助けにエッセンシャルオイルを使用することにした。実のところ、サプリメントもエッセンシャルオイルも質の良い物は値段が張る。しかし、ためらっている時間はない。保険の効かない治療を受けるも同然と割り切って色々と購入した。仕事をしているとはいえ、そこまでの収入のない私としては、夫の収入に頼らざるを得ないのだが、そんな状況でもなんとか家計が回ることは、ただただ夫に感謝である。
大人のアトピーは、ストレスが大きな要因の場合が多いということがこの時期に色々な情報源で言われているのを目にした。ストレスの原因なら、思い当たる節がある。
翔の長年の不登校。そして学校復帰からの高校受験。同時に莉乃の五月雨登校。翔の受験をめぐっての夫からの言葉の暴力。我が家は単身赴任家庭な上に、思春期を迎えた翔が夫を避けるようになり、それも拍車をかけた。そして夫は“口撃”だけとはいえ年々、酒癖が悪くなっている。これも翔が避ける理由の一つだ。
飲んでいると急に目の色が変わり、意地の悪いことを言い出す。指摘すれば逆ギレしてエスカレートする。
夫には経済面では感謝しているが、ストレスの要因にもなっているのだ。