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口癖。

「痒い~。」

ん?今、痒くないぞ。

痒みと痛みとの付き合いが始まって早くも8ヶ月。最近は痛くも痒くないときもあるのだが、口癖になってしまっている。せっかく痒くない時にまで痒いと言ってしまったことには思わず苦笑した。


「まだ、あちらこちらで噴火があるね。」

腕に鍼を刺しながら鍼の先生が言った。腕が痒くて掻いてしまうと、蚊に刺された時のようなボコボコができ、膨らんだ跡が残ることがある。それを噴火と表現したのだ。体内の毒がムクムクと表面に出てき盛り上がっているのだから、噴火という例えはピッタリだ。

「痛っ!」

「ああ、ごめんなさい。」

そう言って先生は鍼の位置を少しずらす。特に調子の悪い部分のツボにピンポイントで刺してしまうとかなり痛いのだ。身体の調子は胃腸や肝臓の調子と深い関係があり、私の場合は自覚症状がなくても胃腸や肝臓の調子がなかなか調わないのだ。もともと飲んべえだったが、アトピーになって以来、酒類が受け付けなくなっていて、ずっと飲んでいないのだが、それでもまだまだのようだ。実のところ、飲酒の有無に関係なく肝臓が弱っている人は多いらしい。飲酒の習慣がある人は尚更だということなので、ほんの数ヶ月前まで晩酌が楽しみだった私の肝臓の調子がなかなか調わないのも仕方ないことだろう。


口の周りがガサガサがカサブタになって一週間ほどになる。痒くなったり、気になってはがしてしまったりしているのだが、範囲は少しずつ狭くなっているようだ。なので、化粧はまだしばらくお預け。瞼も腫れているのでコンタクトもお預け。普通に化粧したりできないのは寂しく感じる。手もまた腫れていることが多いので、マッサージをしてリンパを流す。指輪もお預け。

化粧、コンタクト、指輪。お気に入りのアイテムをまた身に付けるべく、まだ忍耐である。

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