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塩麹さまさま。

少しずつといえば、料理に関しても、出来合いのお惣菜に頼る頻度が減り、家計の面でもずいぶんと楽になった。「困ったときの一品」が続くことで家族にも申し訳なかったので、実にほっとしている。家族としても飽き飽きしているのは明らかだった。

手袋を着用できる程度には回復しているので、ひび割れに痛そうなパン粉などを触るときは使い捨てのニトリル手袋を着用。このおかげで食卓に笑顔が戻ってきているので、ほっとしているところである。私はそれほどマメでもなく、料理が上手かといえば、恥ずかしながらそうでもないのだが、家族にとって、食べなれた“おふくろの味”は生活の中で重要なポジションである。翔は煮物やおひたしがそれほど好きではないようで、大皿料理のときは煮物はスルーしているほうなのだが、しばらく食べないとさみしくなるらしく、今回のことでそれらがない日が続いたことはさみしかったようだ。煮物は材料を切るのがしんどかったので、“切干大根ときざみあげの煮物”を作ることが多かった。ほうれん草のおひたしは、ゆでたほうれん草の水気をしぼることがつらいので、しばらく作らなかった。莉乃はいずれも大好きなので、なおさらさみしかったようだ。料理に関して言えば、あとは、「手が痛いから、もう一品どうしよう…。」というときによくやったのが、肉類を炒めた後のフライパンでキャベツやモヤシを炒めて添えるだけなのだが、これは意外なほど喜ばれ、おかわりのリクエストも度々ある。フライパンに油とともに残った肉のエキスが良い仕事をしてくれるのだ。

この炒め野菜を添えるというごくシンプルなものを出すことは罪悪感があったのだが、こんなに喜ばれることは意外な発見だったので、我が家の定番メニューになったことも今回の収穫といえよう。

そしてもう一つの発見といえば、塩麹である。塩麹はなかなか優秀な調味料なので冷蔵庫に常備していたのだが、これがあれば肉の臭みなどを消すときに生姜がなくてもイケるということを発見。生姜はチューブではなく、すりおろしていたのだが、これもまた手に痛いので、生姜を使わずに塩麹だけで調理してみたところ、イケた。先述の肉類のメニューだが、こま切れ肉を炒めるだけというのも味気ないので、薄切り肉をクルクルと巻いたものや鶏もも肉を一口大に切ったものを串にさして見栄えを図るのだが、こちらも、手袋をして串にさしてから塩麹をまぶして冷蔵庫に寝かせておくことにした。生姜をすりおろすよりも時間も短縮されるし、肉もやわらかくなるしで一石二鳥である。まさに塩麹さまさまである。

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