少しずつ。
ひび割れと相談しながら、少しずつクレイ制作をする日々が始まった。思えばこのひび割れだけについて言えば、もともと手荒れがひどかったので、それほど重症というほどでもない。以前はひび割れに絆創膏を貼って作業をしていたこともある。とは言うものの、現在はアトピーとの兼ね合いがあるので油断はできない。
そして以前との違いは絆創膏を使わないことにしているという点である。アトピーがテープ部分に反応する可能性が否めないのだ。そして何より、アトピーの手をあまり刺激したくない。以前のようにガシガシと制作したいところだが、腹八分目という気分で短時間で作業を切り上げるようにしている。
短時間であっても制作を再開出来ていることは、本当にありがたい。アトピーになって以来、仕事ができない罪悪感もあったが、すっかり退屈していたのだ。
最近は新しいひび割れを見つけても「2~3日で大方ふさがるだろう。痛みもそれまでの辛抱。」と思うようになった。ああまでひどい状態を経験したせいか、そこまで悲観的な気分にならなくなった。
そして今回、「体調を崩す」「体を壊す」というのはこういうことだとしみじみ思っている。風邪などで体調を崩すのもしんどいが、日常生活がままならないレベルの不調は滅多に経験していない。健康そのものというほどではないにしても、普通に出来ることができないという思いをしたのはそれこそ学生時代の骨折か、妊娠時代の切迫早産くらいだ。元気に生活ができることに感謝の気持ちが湧いてくる。夜に普通に眠れること。ドアをノックできること。汚さずに物を触れること。時々なら化粧をできること。指輪はまだ無理にしても、腕時計を着用できること。そして、このようにクレイ制作ができること。何気ないことばかりだが、それらがごく当たり前にできることが実にありがたい。こうして物事に感謝できるようになったことは、今回の収穫といえよう。
汚れるといえば、スマホのカバーや画面もずいぶん被害にあった。何もできないからと、スマホを触っている時間が多かったのだが、画面もカバーも浸出液でずいぶん汚れた。浸出液が落ち着いてきたころに調子が悪くなる時期を迎えたので機種変更をし、今はキレイな状態のものを使っているのだが、汚れたときは拭くのも大変だった。まず自分の手にガーゼかティッシュを当て、それからキッチンアルコールなどを使って拭く。このキッチンアルコールも皮膚にはずいぶんな刺激になるので、直接触らないようにしていたのだが、間違って触れてしまったときは浸みて痛かったものだ。
色々と回避方法を身につけたので、もし次回こんなことになっても、今回よりはスマートに乗り切れる自信はあるが、次回は来てほしくないと切に願っていることろである。




