ぐうたら。
「とにかく手を使わないこと。」
薫子からの言葉。
食器洗いは、娘の梨乃に任せることにした。中学生なので多忙だが、ママバイトという形で引き受けてくれた。幸いにして、食洗機があるので、梨乃の負担もそこまでではないだろう。
高校生の翔はお金云々よりも、洗い物をしたくないらしい。この時期テスト週間ということも少しは関係があったかもしれないが。ならば洗い物を減らすという形で協力をしてもらうことにした。弁当箱は、使い捨てのケースで、ということにしたかったが、お気に入りのスリム弁当箱がいいらしく、弁当箱だけは自分で洗うからということになった。それでも無理な時は使い捨てケースか、パンで我慢してもらうことにした。
洗濯物は、まず回数。よほど急ぎの場合ではない限り、一日一回。洗濯物を干したあとは、たたまないことにした。外で干した物をハンガーのまま室内物干しに移動させて、あとは各自で片付けてもらうことにした。
部屋の掃除は、どうしよう?我が家には犬がいる上に、今は私のカサブタだらけ。
「やらなくても死にゃあしないよ。」by薫子
かしこまりました。では、ありがたくサボらせていただきましょう。
もともと神経質な薫子が「死にゃあしないよ!」と言ったことには驚いた。彼女はメンタルを患ったり、体調を崩したりと色々あったのだが、それらを切り抜けてきた賜物であろう。
薫子とは年長組からの付き合いだが、どちらかというと、彼女が私を頼っていた時期が長かった。しかし、今は健康上のことを相談したり、私の方がすっかり彼女を頼っている。今回特にこのようなことになってメンタルまですっかり弱っている私にとって、本当にありがたい存在だ。
彼女とはLINEでも電話でも、最近は特に頻繁に連絡を取り合っている。そして子どもが小さいので多忙なはずなのに、LINEにはこんな一言が添えられていた。
『いつでも電話してね。』
健康上のことや、食生活などについて細かく厳しいことも言う彼女だが、この一言は心が折れないようにとの心遣いだった。
おかげで遠慮なく、夜中以外は、わからないことや不安なことがあると気軽に電話をしている。
自然治療は、時間がかかる分、不安も大きい。まわりのサポートや理解があってこそ本人が自身の治癒力を信じて頑張れる。だからこそ薫子の先述の一言は、本当にありがたい言葉だった。
実のところ、「そんなことやってないで病院に行きなさい。」とステロイドを処方する病院に行くことを奨励する人間は、どこにでも少なからず存在する。痒さと痛さで弱っているところで言われると、本当にあきらめてステロイドのお世話になることを考えてしまう。
では次話では、私の身内や友人についてお話ししましょう。