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抗生物質後の経過。

薬の服用が終わったら、どうなるんだろうという不安があったが、今のところ却って悪くなっている様子はない。腕にガーゼを当て、メッシュで固定していたが、ここ少しは使わないで過ごせている。指のひび割れは相変わらずだが、痒みもピーク時を思えば比べ物にならないくらい減っているし、痒くて掻いてしまっても、皮膚がめくれたり、浸出液に悩まされることもなくなった。そして夜も眠れるようになった。

毎日がのんびり過ぎていく。手を使う細かい作業が好きだが、それを控えているので、正直なところ、暇で、つい一人カラオケやネットカフェ、コンビニに足が向く。このカラオケも、体力が落ちていた時期は、立って唄うと立ちくらみがしていたが、今は元気よく立って唄える。

まだ細かい作業を控えているとはいえ、変化はある。ずっと控えていた化粧をするようになった。少し前から眉だけは描いていたが、、ファンデーションを塗ったのは実に数ヶ月ぶりのことだった。

ピーク時は化粧を控え、服装も決まった数着で回していた。手持ちの服がどれもこれも浸出液でシミになるのがイヤだったので、今シーズンでサヨナラしても良い物、シミが目立たない色の物を数着撰んで着ていた。髪もブラシを持つことすらままならず、整髪料の刺激すら怖かったので髪をとくだけでブローも控えていた。こんな状態でおしゃれをする気にもなれなかったので、まさに鳴りを潜めるように過ごしていた。

久しぶりにファンデーションを乗せた鏡の中の私は、目に光が戻って来た。カジュアルな服装が専門だが、おしゃれが嫌いなわけじゃない。服装も化粧も構えなくなり、アクセサリーどころか腕時計すら着けられない状態は、気力をすり減らしていた。

つい数日前から、スカートを買おうとネットをチェックする気力も出てきた。化粧をしたら、素敵なスカートをはきたい。結婚して20年の夫が今さらドキドキすることも期待していないが、身なりを構うことができる状態になったことは、かなり嬉しいことだった。

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