たんぱく質を美味しく。
抗生物質を飲み終えてかれこれ半月。痒み止めなどの睡眠効果のある薬を薬を飲まなくても夜は眠れるようになった。「もし眠れなかったらコンビニに行こうっと。」などと思いながら横になると、そのまま朝まで眠っている日が多くなった。
少しだけ涼しい夜中に、街灯の明かりと夜空の中を歩くのは好きなので、そのまま朝を迎えることは、実は少し物足りない気持ちにもなる。
手の甲が部分的にやけにツルツルするのでまたおかしなことになっているのでは、とビックリして見てみると、ツルツルしていたのは元のキレイな皮膚だった。そんな感覚が麻痺するほど、カサブタに占領されていたのだ。ほんの小さなカサブタがまだところどころにあるし、痒みもあるが着実に快方に向かっているようだ。
サプリメントや栄養補給のシェイクは続けているが、苦手なシェイクの量を減らした。シェイクは規定の濃度で作ると、お腹が膨れる。そのせいか、シェイクを減らした分たくさん食べられるようになった。食欲が回復しているのなら、シェイクよりも食べ物で栄養を摂りたい。
チーズ、ナッツ、玉子が主なたんぱく質や脂質になっているが、さらにたんぱく質の補給をしやすいようにと薫子にすすめられたのが、ローストビーフなどの、すぐにつまむことができる肉類を常備しておくこと。もちろん、塊肉を買ってきて自分で無添加のものを作るのだ。
しかしローストビーフはコストが高いので、たいていはペッパーポークかペッパーチキンだ。コスト的には高い順だと牛、豚、鶏だが、糖質の高い順だと鶏、豚、牛。糖質は気になるが、炭水化物を控えている分、食費はかさむ。なので、たいていはチキンかポークで作ることにしている。
塊肉をタコ糸で縛り、ネギの切れ端と塩、ニンニク、バジルとローズマリー、黒胡椒をすりこむ。
この作業は、塩が指のひび割れにしみるが、ぐっとこらえてささっと済ませる。これをアルミホイルで包んで冷蔵庫で30分以上寝かせてからオーブンで焼き、そのまま二時間オーブン内で熟成。それから冷蔵庫に移動させて更に二時間寝かせる。これで完成。冷蔵庫から出して、アルミホイルの包みを開く。スパイスの香りの漂う塊肉からタコ糸を外して好きな厚さにスライスする。このスライスの時はドキドキする。スライスして初めて出来栄えがわかるからだ。私の好みは、中心部がほんのりピンク色の焼き上がり。生っぽいブニブニした感触よりも、もう少し火の通った感じがいい。
そして最近は少し飽きてきていたので、黒胡椒を使うところをゆず胡椒に変えてみた。これがなかなかのヒットで、家族にもウケが良い。
現在はペッパーポーク、ペッパーチキンを欠かさないようにしている。なぜなら「肉、無いの?」と聞かれたり、知らないうちに空の容器がシンクに置かれていたりするのだ。なので残りの量を見ては次のものを作るようにしている。




