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乾いてきてるね。

「乾いてきているね。…まあ、抗生物質に関しては、私もどうしても薬剤師なのでね、飲んだほうが良いと言ってしまうんですよね。」


それまでよりも刺激の少ない抗生物質に切り替えたその日、鍼灸師の先生の治療を受けに言ったときに言われた。

実は最初の抗生物質はあと三日分残っていて、それを飲みきってから切り替えるようにと皮膚科では言われたが、もう弱いものに切り替えた。手の甲のカサブタや指のひび割れのこともだが、かねてからの胃腸の不調に、体が悲鳴を上げているように思えてならなかったのだ。抗生物質を飲むようになってから口のまわりもまた最初の頃のように黄色いカサブタができている。これは胃の不調らしい。

しかし、患部のジュクジュクの範囲は明らかに狭くなっているし、ひじの内側の、独特のイカのような生臭いにおいも減ってきている。これは大きな変化だ。どうなるかわからないけど、私の中の良い菌、頑張ってね。


数日前から患部にはガーゼを当て、メッシュで固定し、液がにじんできたら取り替えるようにしているのだが、昨夜あたりから、液がにじむ頻度が明らかに減っている。口のまわりのカサブタは、減ったような気もするが、どうなんだろう?


胃、小腸、肝臓、神経に効くツボに今日も鍼がささる。ズーンと重い痛みが走る。頑張れ、私。もう心配事を抱えなくても大丈夫だから。鍼ではエネルギーの調整も行う。よくわからないが、エネルギーのバランスも狂っているんだとか。


大人のアトピーの要因はメンタルが大半らしいが、私はそこまでストレスを感じていたのだろうか。


薫子曰く、頑張りすぎとか。嫌なことを嫌だと相手に向かって嫌と言えていないことが原因らしい。確かに私は相手と衝突したくない、または嫌われたくない時は、仕方なく納得いかない要求を聞いてしまったり、暴言を吐かれても黙ってやり過ごしている。人間関係においては、それは普通に起こることではあるが、引き受けるにしても、そこで自分の気持ちに一旦向き合っていないからストレスになるらしい。

つまり自分で自分の気持ちを無視しているからストレスになっていると。

言いたい放題で独りぼっちになりたくないから"嫌な用事を引き受ける"、"腹が立っても言い返さない"ということを"選択"している。それが私なのだ。

嫌な用事を引き受けるにしても、自分の気持ちを話すという"選択"を入れるということが必要なんだと。


実は薫子は人付き合いも良く、男女問わず友人の多いタイプで、それは子供の頃から変わらないが、彼女は言いたいことをかなり飲み込んで生きてきたことでメンタルを患ったことがある。そんな彼女は確かにここ数年は、以前よりズバッと物を言うようになった。それを始めた頃は一旦、離れていった友人もいたらしい。私もその時期は薫子が豹変したように見えてびっくりしたものだ。

今は最初の頃よりも落ち着き、しかし言うべきことはハッキリ言うようになった彼女は元気一杯である。一旦は離れていった友人も大半がまた戻って来たんだとか。

ハードルが高いことのように思えるが、薫子がいるなら、心細くない。

やってみよう。

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