ひび割れた指と水疱。
抗生物質開始から10日目。飲み初めてすぐの頃から、指のあちこちがひび割れている。そして。指や手の甲に、細かい水疱ができた来た潰してみると白い液がはじける。どうやら膿みのようだ。水疱を見ていると憂鬱になってきた。
なぜかというと、水疱のできている場所のほとんどが指の間で、かつて湿疹と言われていた頃や今回のアトピーの出始めの状態と似ているからだ。だとしたら…。
「また指の間の皮膚がなくなるかもしれない。嫌だなあ。」
皮膚が剥けてしまうとヒリヒリするし、浸出液が出る。そしてそれが指の間となれば、また日常生活にかなりの支障が出る。痛いだけでも嫌なのに、またあの状態になりたくない。しかし、前回と今回では経過や栄養状態が違う。それに薬を飲んでいる。薬の加減もあるだろう。同じことにならないかもしれない、なりませんようにと、祈る気持ちで指を見つめる。
確かに外見は似ているが、最初の頃は埃を払うことすら手に痛みが響いてできなかったが、今は大丈夫。それに、それに、もう皮膚だって丈夫になってきている。それに、今は以前と違って薬を飲んでいるという状況だ。何もかも状況が違っているのだからと、不安で、以前との違いを並べ立てる。
「抗生物質の効果が出ているかどうかという点は、もう一度そこの皮膚科にかかって確認する必要がありますよ。」
「でもあの皮膚科、脱ステロイドとか言ってるけど、希望するなら処方しますよ、って感じで信用できないんですよー。」
「それでも、ですね、処方したお医者さんに診てもらうべきですよ。」
抗生物質を飲み初めて10日目の今日、鍼灸師の先生に相談したらそう言われた。確かに、この先生は鍼灸師であって、薬剤師でもあるが、医師ではない。判断を委ねられても困るだろう。そして無責任に判断をせずに医者に診てもらうようにすすめるのは誠意というものだろう。
菌は怖い。今の腕にある雑菌は退治してしまいたい。しかし、すでに腸内環境が乱れているのは間違いない。抗生物質というのは、善玉菌まで殺してしまうのだ。場合によってはカンジダになってしまう。
決めるのは自分。あまり信用できないとはいえ、明日は皮膚科に行くことを決めた。