心ない態度。
アトピーになったことがなかったり、身近にそのような人がいない場合、アトピーのこの、カサブタと浸出液だらけの状態を見てビックリしても仕方ない。アトピーだと知らなければ「何かしらの病気が感染るのでは?」などと思われても仕方ない。そう思ってきた。いや、今もそう思っている。
理解してくれる人ばかりではないとも思っている。
外出時は周りへの配慮も兼ねてできるだけアームカバーを着けるようにしているのだが、腕の浸出液がひどいときは、液で皮膚にカバーが張り付いて、後から大変なので、着けずに外出するときがある。もちろんそういうときは手にミニタオルを持って周りに液が付かないようにしている。
しかし、患部を隠さない状態というのは、どうしてもスーパーなどでは露骨にじろじろと見られてしまう。仕方ない。仕方ない。…でも、見られたくない。
そして先日はまたアームカバーを着けずにコンビニに行ってしまった時のこと。バイトの若い男の子、私の腕を見て、釣り銭を渡すときに、露骨に私と手に触れないように渡してきた。確かに、アームカバーを着けて、あまり目立たないようにするのがマナーだと思うし、知らない人が見たらビックリする外見なのだから、仕方ないとは思う。
しかし、汚いものを扱うようなその手つきにさすがに少しグサッときた。
仕方ない、仕方ない。私もマナーとしてはよろしくなかったんだから。そう思おうとしても、あのバイト君の手つき。子供の頃の「えんがちょ」の扱いに等しい。
莉乃に話したら、彼女は憤慨していた。
「いくらなんでも、その扱いはひどい!」
「でも、ママもマナーとしては良くなかったとは思うんだけどね。」
「それでもひどいよ!」
莉乃が気持ちを共有してくれたことでいくぶん楽になった。少なくとも、彼女はそういう大人になることはないだろう。