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少しでも僅かでも成長できる内が無上に花だぜっ

 


 現状維持だけで精一杯

 少しでも悪くなれば、しくじればミスすれば、容易く劣化する可能性がある


 俺はもう衰退している

 知能のレベルについて言えば、もう詰んでいる、終わっている。

 脳細胞が死んでいるのだ。

 新規ネットワークを開発しても、閉鎖するネットワークの加速度的な勢いに負けているからだ。

 一日中娯楽を貪っても不可能だ、無理だ。

 俺は現状の世界が与える、知能の成長速度だけでは、もう知能の寿命を保てない。

 つまり、俺が俺じゃ無くなるのだ。

 それは言うなら、死ぬという事だ。

 俺は死ぬ。

 俺は成長するなら、己を肯定出来た。

 だが衰退するなら、そんな俺は、俺が肯定できない、だから俺は俺じゃ無くなり、死ぬのだ。


 俺は思考スピードが落ちている。

 現状認識している知識の、総復習をすれば、だいたいの体感的な速度が分かるというものだ。

 俺は一秒が、昔よりも短く感じられる、それだけで体感的な衰えを感じれるのだ。


 そうだ、あの頃、

 幾らでも成長できたし、幾らでも前に進めた、あの開拓期に、しっかりとヤル事をやっておけば良かったのだ。

 あの頃は良かった、幾らでも知識を頭に詰め込めたのだから、

 だが俺はしなかった、

 どうせ神には、絶対者には、天上の存在には至れないと諦めていたのだ。

 それでも、今思えば、やっておけば良かったのだ。

 こんな程度の衰退の波に抗えない、無様な知能であるくらいなら、俺はもっともっと前に進みたかったのだ。


 今からでも、遅くは無いかもしれないと、無様に夢や理想を垣間見る事もある。

 だが現実は、俺の予想を遥かに超越して推移する。

 己の知能の、圧倒的で絶対的な、劣化速度。

 現実の世界が与える、低廉に過ぎる娯楽、知能の促進を著しく制限する、ゴミ屑のようなモノばかりなのだから。


 俺は今の俺を否定する、絶対に認められないし、許せないし、我慢が成らない。

 だから、俺は死ぬのだ。

 俺は俺じゃ無くなり、別の俺が俺に成り変わった振りをして、俺の面を被って、世の中で俺が生きている振りをするだろう。

 俺は最後まで、死ぬときまで抗うから、恐らく俺はそうなるだろう。

 俺は俺じゃ無くなる、だから俺を見ても、決して俺だとは思わない事だ。

 俺はもう、その頃には死んでいるのだからな。

 俺は誇り高い、俺と認められない俺は、絶対に俺だとは思ってほしくないのだ。


 そうだ、成長できる内に成長しなければいけない。

 大輪の花のように、どこまでも百花繚乱に、咲き誇らなければいけないのだ。


 知能とはネットワークなのだ、花のように緻密に、全体的に美しく構成された、様がイメージだ

 電気信号によって脈づき、神成る円環の理論によって構成される、一種の総合芸術作品なのだ。

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