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First impact 「人質交換」

作者: 緑風

神界では永きにわたり神々の争いが続いていた。


オーディン率いるアース神族

ムスペル率いるヴァン神族

ウルガルド・ロキの率いる巨人族

三つの勢力が絶えることの無い争いを続けていた。


そんな中、神界でファブニールが暴れ始める。

三勢力は一時休戦しファブニール討伐の為、の協定を結ぶが

話し合いの時点でまとまらず、全指揮権を一国に任せ

残りの二国は支援に徹することになる。


物語は討伐の前線に出る国を決める代理戦争から始まる。


 人質交換


場面1  :アースガルズ ヴァルハラ内 闘技場

ネルトゥス・「…っ。挟まれた…」

トール  ・(ネルトゥスの残弾は1…)

スルト  ・(つまり、先に消すべきは…)

2人   ・(アイツ)

トール  ・「うらぁ~」

スルト  ・「はぁ~」

SE   :ドンドン(銃声が2つ)

ナレ   ・「WINER IS  NERTHUS」


場面2  :アースガルズ ヴァルハラ内 闘技場観戦席

ムスペル ・「がははは。ネルトゥスめ、やりおった。」

オーディン・「解せぬ。残弾は確かに…1つだった…」

ムスペル ・「お前が読み間違えたんだろ。

       女々しい事云うんじゃねぇ。」

オーディン・「…」

ウルガルド・「最初の1発目が空包だ。マガジンを入れる前にスライドを引き

      1発目を偽装したのだ。」

オーディン・「…」

ムスペル ・「なるほどな…だが、スルトが負けてんのに

       お前ぇは余裕じゃねぇか。」

ウルガルド・「…。(茶を飲む音と本 を1ページめくる音)」

オーディン・「今回はヴァン神族か…。」

ムスペル ・「悪いな。ファブニールは俺達が頂いていくぜ。」

オーディン・「良いだろう。容易に倒せるとも思わぬ…」

ムスペル ・「はっ。この俺が直々に出るんだ、

       万に一つも打ち洩らす事はねぇよ。」

ウルガルド・「終わったのか?では、我は帰るぞ。」

SE   :カツカツカツ(ウルガルドロキが席を立ち去っていく)

オーディン・「ふっ。相変わらずだな。」

ムスペル ・「あぁ~疼いてきた。オーディン。今此処で俺と勝負しろ。」

オーディン・「断る。貴様の相手は先程決まったばかりだ。」

ムスペル ・「…つまらねぇ漢だな…まぁ良いか。帰るぞ、ネルトゥス。」

SE   :カツカツカツ(ネルトゥスとムスペルがその場から離れる。)



オーディン・「…行け。」

SE   :バサッ(ムニンが飛び立つ音)

トール  ・「戻ったぞ。」

オーディン・「御苦労。今回はコレで終わりだ。」

トール  ・「…代理戦争ねぇ…雑魚を一掃しても後味が悪いが

       こうゆうちまちました戦争ってのもスッキリしねぇな。」

オーディン・「…」

トール  ・「オーディン…この俺に何度もこんな真似をさせる

       気じゃねぇよな?」

オーディン・「…不服か?」

トール  ・「当然だ。俺をぬりぃ戦場に出しやがって。…言っておくが、

       俺はアンタの駒じゃねぇ。

       全て思い通りに動かせると思うなよ。」

オーディン・「(微笑。)」

トール  ・「俺は暫く好きにさせてもらう。クソッ」

SE   :カツカツカツ

オーディン・「ミーミル。ムニンは帰って来ると思うか?」

ミーミル ・「必ずや貴方の元へ…しかし、『寿命(とき)

       が気になりますな。」

オーディン・「そうか。ふっ」


場面3  :アースガルズ ヴァルハラ外縁部の平原

ムスペル ・「はは~。順調じゃねぇか。フレイの先見も堂に入っているな。」

ネルトゥス・「…」

ムスペル ・「手加減された事を気にしてるのか?」

ネルトゥス・「気付いていらっしゃったのですか?」

ムスペル ・「当たり前だ。

       スルトが手を抜くのはいつもの事だが…トールまでとはな…。」

SE   :ドゴン(右腕を木に叩きつけて吹き飛ばす)

ムスペル ・「悪ふざけも大概だな…」

ネルトゥス・「…」(ムスペルの気迫に圧される)

ムスペル ・「だが、コレで良い。奴等の思い通り運んでいると思わせて

       おけば良い。

       枕を高くして寝ている方が落としやすいってもんだ。

       フレイに伝えろ。明朝、オーズを連れてファブニールの

       討伐に行く。…お前も用意をしておけ。」

ネルトゥス・「御意。」


場面4  :ヨトゥンヘイム ウルガルドロキの城 書庫

スルト  ・「ユミル神には私から報告を。」

ウルガルド・「あぁ。構わない。」(言いながら席に着き本を開く)

スルト  ・「……ウルガルド・ロキ。」

ウルガルド・「何だ?」(話半分に返事をする。)

スルト  ・「…。いえ、何でも。」

ウルガルド・「戦争とは交流の一端に過ぎない。」

      (呆れながら、薄目で語る)

スルト  ・「それは?」

ウルガルド・「言い換えれば、獣が群の上下関係を内外に示す為に行う蛮行。

       それ以下でも以上でもない。」

スルト  ・「つまり神の取るべき行動ではない…と」

ウルガルド・「オーディンは畏れに…ムスペルは好奇心に動かされているに

       過ぎない。」

スルト  ・「では、ウルガルド・ロキ…貴方は。」

ウルガルド・「私か?…(微かに口角が上がる)…考えた事も無かったな。」

スルト  ・「なるほど…だから、いつも本ばかりを

       読んでらっしゃるのですね。」

ウルガルド・「そうかもしれないな。」

スルト  ・「良い機会です。今度、外に出られてはどうですか?

       何か発見があるかもしれませんよ。」

ウルガルド・「今読んでいる本を終えたら。考えるとしよう。」

スルト  ・「まったく、貴方という人は。」


場面5  :アースガルズ ヴァルハラ内 玉座

オーディン・「貴殿をムスペルに渡す…どうゆう意味だ?」

ミーミル ・「オーディン。ムニンは今どこに?」

オーディン・「あれから未だ…」

SE   :ギュイン(ムニンへ意識繋ぐ)

ムスペル ・「よぉ…オーディン。ファブニールの巣の様子はしっかり

       見えているか?」

ムニン  :ギャーギャー(鉄籠の中で暴れまわるムニン)

オーディン・「まさか、捕まったのか?」

ムスペル ・「檻越しだが、しっかり見ておけ。この俺がファブニールを

       討伐する様をな…

       なんせ、これがムニンの眼から見る最後の光景だ…」

オーディン・「くっ…」

ムスペル ・「おっと、変な真似をするなよ。魔力を感知したら躊躇無く

       烏の眼を潰す。」

オーディン・「…」

ムスペル ・「これは予見できたか?アース神族の王よ。

       ふっ。ははは。あははは。」


オーディン・「話しが違うぞミーミル!」

ミーミル ・「いいえ。ムニンは必ず貴方の元へ戻ります。」

オーディン・「ムスペルがアレに気付かぬはずがない。」

ミーミル ・「えぇ。そうでしょう。…では代わりに奪えば良いのです。

       彼の知を…」

オーディン・「トール!出陣だ!ヴァナヘイムへ進軍する。」

SE   :ヴァルハラ内に木霊する。玉座の扉の陰からトールが現れる

トール  ・「ヴァナヘイムに…何をするって…」

オーディン・「二度は云わぬ。ヘイムダルに警備を任せよ。」

トール  ・「うおおぉおおぉおおお~!」


場面6  :ヨトゥンヘイム ウルガルドロキの城 書庫

SE   :コンコン…(書庫の扉を叩く音)

ウルガルド・(本のページをめくる音)

SE   :コンコンコンコン

ウルガルド・(紅茶を飲む)

SE   :ギィ(扉が少し開く)

スルト  ・「あれ、開いてる…ウルガルド・ロキ!報告がありま…」

ウルガルド・「…」

SE   :ヒュンヒュッ(空にルーンを描きスルトへ放つ)

スルト  ・「あれ、あわわ…ちょ、ちょっと!」

場面   :スルトの体が勝手に浮き、外へ飛ばされそうになるが、

      柱に掴まり耐える。

ウルガルド・「黙っていろ。」

スルト  ・「緊急事態です!…くっ…オーディンが、

       ヴァナヘイムへ進行を始め…ま…」

ウルガルド・「…はぁ…詳しく話せ」

       (手を降ろし最後の1ページになった本を置く)

スルト  ・「はい!(地に足が付き安堵する)

       オーディンはトールを連れ、先程ヴァルハラを発ちました。」

ウルガルド・「グングニルとスレイプニルは?」

スルト  ・「オーディンと共に確認しています。」

ウルガルド・「ミーミルは何を考えている。…本気で戦争を始めるつもりか…」

スルト  ・「ユミル神には…」

ウルガルド・「報告は不要だ。私も出る。」

スルト  ・「はっ。」


場面7  :ヴァナヘイム ニョルズの城 城内庭園

ムスペル ・「オーディン…てめぇ…。」

オーディン・「ムニンを檻から出せ。でなければ、貴様の頭を頂く。」

フレイ  ・「くっ…」

      (羽交い絞めにされているフレイの首元にグングニルを突き立てる)

ムスペル ・「俺と本気で殺り合いたいんだな…」

オーディン・「口火を切ったのは貴様だ。」

ムスペル ・「上等だ。やれるもんならやってみやがれ!」

ネルトゥス・「ムスペル様…」

      (ムスペルが飛び出さないよう、抑える)

オーディン・「ムニンの代わりがフレイの首であれば十分だ。」

SE   :カチャ(柄に力を込める)

ムスペル ・「…(動ける様に姿勢を低くする)」

ウルガルド・「双方止れ。」

オーディン・「貴殿を呼び立てた覚えは無いが。」

ウルガルド・「落ち着けオーディン。不要に事を大きくするな。」

オーディン・「我は冷静だ。その上で絶好の侵略の機会だと思い行動している。」

ムスペル ・「っ、貴様…」

ウルガルド・「確かに、フレイを失えば、ムスペルは大きな痛手であろう。

       しかし、戦況ではアース神族が窮地に立つ事になる。」

オーディン・「何を…」

ウルガルド・「ファブニールの討伐は三王の総意で行われ、死力と賭して戦った

       ヴァン神族への裏切り行為だ。

       今回の件…我等巨人族はアース神族に相応の責を問う。」

オーディン・「ムスペルと共にアースガルズを侵略すると…」

ウルガルド・「残念だが…」

ミーミル ・「しかし…それでは本当にラグナレクを呼ぶ事に…

       それは誰もが望まぬ結果であるはず。」

オーディン・「ミーミル…貴様何故…」

ウルガルド・「…」

ミーミル ・「戦の起点は参謀の先見…なれば、コレを互いに交換する

       というのは如何か?」

ムスペル ・「なに?」

ミーミル ・「つまり、私とフレイ殿それぞれを交換すれば見立てを

       鵜呑みにすることが出来ず、

       互いに慎重に行動されましょう。」

ムスペル ・「フレイと老いぼれを交換…ふざけるな!

       …フレイのヴァン神族の方が…」

ウルガルド・「いや…逆だ。」

ムスペル ・「なんだと…」

ウルガルド・「フレイだけでは軽すぎる。」

ムスペル ・「ふざけるな…承服出来るわけがねぇ!

       訳のわからねぇ御託並べて…」

ウルガルド・「現状を見てわからんか?ムニンとフレイの首を

       同じ秤に載せられている。

       この時点で参謀として資質は明白であろう。」

ムスペル ・「そうじゃねぇ!俺の右腕の換えは…」

ウルガルド・「では、このまま戦争を始めるか?

       どの道、フレイは戻らんぞ。」

ムスペル ・「ぐっ…くっ…があぁ!」

ミーミル ・「では、フレイ殿ともう一人…」

ウルガルド・「フレイヤが妥当だな。」

ムスペル ・「テメェ!何を勝手に進めてやがる!

       俺の国の民を…俺の仲間をぉ~…」

フレイヤ ・「セイズ…」

ムスペル ・「…ぅ…フレイ…ヤ…」

フレイヤ ・「ごめんなさいムスペル。

       でも、お兄様を1人アース神族に行かせる訳には

       いきません。」

フレイ  ・「フレイヤ…」

フレイヤ ・「私はお兄様が居れば何処でもやって行けます。」

オーディン・「ムスペル…案ずるな。ミーミルはどの神よりも

       正しく未来を見通す。

       我等はラグナレクを回避したのだ。」

場面挿入 :(ムニンが飛んで、オーディンの腕に戻る。)

ムスペル ・「…この老いぼれがフレイとフレイヤの変わりだと…

       数が合わねぇだろう。」

ムスペル ・(高速移動する音)

オーディン・(驚き)

ムスペル ・「うらぁあ!」

SE   :バンッ(鉄籠ごとムニンを粉々にする)

オーディン・「ぐあぁああ…」(眼帯の眼を抑えながらうずくまる)

ムスペル ・「はぁ…はぁ…。2…と2…これ、で等価だ。」

ウルガルド・「…」

ムスペル ・「フレイ。フレ…イヤ…。………………すまない。」

      (倒れそうになるところをネルトゥスが支えようとする。

       もう一度、踏ん張り宮殿へ入って行く)

ウルガルド・「ミーミル…貴様は何を…」

ミーミル ・「…あと2つ…」

この作品は1作目にして

神界編の後半に位置するお話です。


ここから遡り、オーズとムスペルの因縁…

ムスペルとフレイの絆…

フレイとフレイヤの日常…

ロキとローズルの出逢いなど


不思議で時々笑いありの作品をお届けしたいと

思います。


小まめにアップしていきたいと思っているので

どうか暖かく見守って頂ければと思います。

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